暁 〜小説投稿サイト〜
雲に隠れた月は朧げに聖なる光を放つ
前章 復讐鬼
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キーーンコーーンカーーンコーーン

チャイムが鳴ったので僕は開放された。今度ばかりは顔から血が出ているので保健室に行くことにする。

「すみませーん」

「はいはいどなた‥‥‥って緋鷹くんね。今日は‥‥あらあら、お顔をやられちゃったの。今手当をしてあげるからね」

保健室の先生は僕が何をされているか察しているようだ。何も言わずに手当をしてくれる。

「はい、これでお終いよ。どうする?今日も休んでいく?」

「ありがとうございます。そうします」

僕は三時間目の授業を保健室で過ごした。途中で聖も体調不良の体で来てくれたので雑談する。

「コウ‥‥‥またやられたの?」

「またっていうかいつも通りだよね」

「‥‥‥僕、あの人たちから告白されたけど‥‥絶対に嫌だな」

「ふーん?なんでさ。ぶっちゃけ僕とだと釣り合わないんじゃないかな?」

「‥‥僕はコウのことが好きだから付き合ってるの。それ以上もそれ以下もないよ」

「好きって‥‥別に取り柄もないのにかよ」

「コウは僕の癒やし人ですから」

「なんじゃあそりゃ」

「うふふ‥‥‥」

妖艶な笑みを浮かべる聖。これが他の男子なら間違いなく落ちていたはずだ。

「その笑み、他の人なら間違いなく鼻血もんだぞ?」

「知らないよー。僕は別に意識してないもん」

この色気のせいで年上からも告白されるのが絶えないのだが‥‥‥‥。彼氏としては凄く、ええそれは凄く心配だ。

キーーンコーーンカーーンコーーン

授業終了のチャイムが鳴った。とても嫌なのだが、僕たちは教室に戻った。おそらく昼休みや放課後に何かあるだろうが、僕は図書室に逃走するつもりなのでなんとかするつもりだ。聖が僕を気遣いながら歩いてくれているので僕は大丈夫だという意思表示をし、教室へ入った。

その後は普通に授業を受け、給食の時間になった。まあ机は落書きだらけだが。
今日の給食はカレーだ。ぶっかけられないように辺を警戒しながら自分の机に運ぶ。ちなみにナプキンはない。全てビリビリにされてしまったので持ってこないようにしたのだ。

自分のだけ激辛カレーみたいなことはなかったので、さっさと食事を済ませて図書室に逃げる。図書室で騒ぐともれなく生活指導室行きなので、彼らも騒げないのだ。

「こんにちはー」

「あら緋鷹くん、こんにちは」

僕は司書さんと仲が良いので、オススメの本を貰う。

「あ、司書さんこんにちは」

聖もやってきた。

「こんにちは。はい、オススメの本よ」

聖も本を渡される。僕たちは一番目立たない隅っこを陣取り、本を読み始めた。妙に聖が近いのは気のせいだと思いたい。

昼休みは特に何も起きず、授業も普通に受けられたので
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