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雲に隠れた月は朧げに聖なる光を放つ
前章 復讐鬼
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エアガンを中内に向ける。そう、こいつらが計画犯だ。おそらく中内たちが聖の人気に嫉妬したんだろう。ちなみに聖がどのぐらい人気かというと、一ヶ月に最低三十回は告白されるのだ。年上、年下関係なく、である。美少女で僕っ娘、性格、賢さ。本当に完璧超人だったのだ。オマケにスポーツもでき、新体操と卓球をやっていた。新体操は全国レベルだったはずだ。

そんな聖に嫉妬してもおかしいことではない。問題なのは、自分は関係ないという顔をして罪を逃れようとしていることだ。

「とりあえず社会的に殺すが、その前に前座処刑だ」

ドパンッドパンッドパンッドパンッ!!

銃声四発。弾丸は中内の四肢に命中した。

「アガァ!?」

崩れ落ちる中内。

「あとは周りのお前らだな。覚悟はいいか?」

その言葉に反応して見事なシンクロ率で土下座する女子たち(聖の友達以外)。俺はそいつらの顎をそれぞれ一発ずつ蹴って気絶させる。中内よりはだいぶマシな措置だろう。

「な‥‥‥んで‥‥‥」

「ア?」

中内がいつの間にか立ちあがって俺を睨んでくる。四肢を撃ち抜いたと言っても足のほうはとくに骨折などはしてないはずだ。なんせ上履きに当たったのだ。痛いで済むはずである。

「なんで?お前らが聖を殺したからだろ?」

「‥‥‥あんな泥棒ネコ、死んで良かったのよ!」

「ア゛ア゛?」

「私はこんなにもあなたのことが好きであなたも私のことが好きだったのに‥‥なのになんであんな泥棒ネコなんかに盗まれなきゃいけないのよ!」

「はあ?俺がお前のことを好き?ありえねえわ」

「そ、そんな!言ってたじゃない!英語の時間にI like youって!」

「いやそれ教科書の内容じゃん」

あまりに突飛な事実だったので俺は思わず殺意を消してしまった。

「嘘よ嘘よ!ちゃんと言ったの!」

「ご都合解釈にもほどがあるわ。とりあえず黙れ」

煩かったので俺は後ろ回し蹴りで顔面を蹴る。華麗なトリプルスピンをしている中内に追い打ちの蹴りを食らわす。吹き飛んで壁に叩きつけられる中内。

「お前がどう思ってかは知らないが、聖のことを泥棒ネコと言ったのは許さん‥‥‥‥‥。ア?お前が文句あるような顔するんじゃねえよア゛ア゛?」

威圧で黙らせ、顔を足でグリグリとする。完全にヤのついた自由な人だ。

「俺が好きだった人は聖だけだ。お前なんか眼中にもないんだよ!」

ガンッ!

最後に顎を思いっきり蹴り飛ばした。少し宙に浮き、やがて落ちてくる中内。俺はご丁寧に腹を踏みつける。そしてようやく、周りの異常性に気がついた。

先生が教室のドアを開けた姿勢でフリーズしている。教室は地獄絵図だ。無事なのは聖の友達だけである(四人ぐらい)。よくよ
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