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SAO−銀ノ月−
第三十三話
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「納得いかねぇぇぇぇっ!」

 向こうでなんだか叫んでいるクラウドは、笑いながら慰めに行っているリディアに任せるとして、俺はアリシャとヘルマンと共に、ギルド《COLORS》に入る為の手続きをしていた。
……まあ、ヘルマンは立って夕日を眺めているだけだが。

「コレで良しっ! それじゃあショウキ、これからもよろしくっ!」

 ギルド《COLORS》への入団手続きが完了し、ハイタッチを求めてきたアリシャとハイタッチをしておく。

「ほら、ヘルマンもよろしくってぐらい言いなさいよ!」

「……よろしく頼む」

 ヘルマンの相変わらずの対応に、ああもうこの無愛想は、とアリシャは聞こえるように独り言をぼやくが、ヘルマンは気にせずに夕日を見ていた。

「おいショウキッ! 勝ったからって調子にのるんじゃねぇぞ、まぐれなんだからな!」

「……嘘つき」

 向こうの騒がしい者と笑っているものは、向こうで放っておくことにしよう。
しかし、ギルド《COLORS》……まさか、ギルドに入ることになるとは思わなかったが、人生何が起きるか分からないもんだな。

「それじゃあショウキ! ギルド《COLORS》入団に際して、リーダーであるわたしからプレゼント!」

 アリシャがメニューを操作し、黒い物体を俺に向かって投げつけてきた。
別に投げつけてきたと言っても、たかがしれているので、難なくキャッチして広げてみると……

「わたしお手製の黒色コート! 着てる和服黒色だし、防御力低そうだからちょうど良いわよ!」

 流石、戦闘用スキルを何も入れていないだけあって、アリシャは裁縫スキルも上げているらしい。

 試しに着てみると……軽い。
しかし、きちんと防御力も上がっているし、俺は本来使うことの出来ない《隠蔽》スキルのボーナスまで付いている……

「凄いな、この黒いコート……貰っただけじゃ悪いな。なんか無いか……」

「別にそんなの良いって!」

 アリシャはそう言って首を振るが、何かお礼せねば俺の気が済まない。
……しかし、こんな時に限って俺のストレージには素材とポーションばかりしかない……

 いや、ストレージの奥底にあった。
アイテムを出してみると、《カミツレの髪飾り》という、一回限りのクエストで貰った報酬の筈なのに、何の効果も無いという奇妙なアイテムだ。
しかし、デザインはまあまあだし、元気なアリシャには似合うのではないか……

「だったらコレだ、お礼」

「可愛いじゃん! 貰って良いの?」

 どうやら、なかなかどうして高評価だったようだことに安堵し、胸をなで下ろした。

「もちろんだ、お礼なんだから」

「やった! ……へっへ〜似合う?」

 夕日をバックに、
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