第三十話
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
it!」
鈍い音が響く。
この戦いにおいて、お互いに始めてのクリーンヒットがPohの腹に直撃する。
たまらず吹き飛ぶPohに対し、俺は未だに勢いを殺していない足で追撃のために踏み込んで、Pohの下へ跳びこむ。
まだ態勢を整えきれていないPohに袈裟斬りを叩き込んだが、俺の攻撃の直前でPohは態勢を整え、その手に持つ友斬包丁を日本刀《銀ノ月》を防ぎ、鍔迫り合い。
だが、あの悪名高き友斬包丁であろうとも日本刀《銀ノ月》に、武器の関係上鍔迫り合いで勝てるはずがない。
このまま押しきれる……!
と、その時。
俺の肩を鋭い痛みが響いた。
「――ッ!?」
友斬包丁との鍔迫り合いを無理やり押しきることで中断し、全力でバックステップ。
俺の肩には深々と刀傷が刻まれており、先程の鋭い痛みが気のせいで無いことに気づかされる。
そして、その痛みの元凶はPohの手に握られている――『もう一本の』包丁。
Pohの手には友斬包丁の他に、もう片手にもう一本の包丁を持っていた。
それはまるで、去年のクリスマスでキリトの姿のようで――
「《二刀流》、だと……?」
俺の驚愕に包まれた声に、Pohは小さく笑って二本の包丁を振り回す。
あたかも、死神の鎌が二本になったかのように。
「ハッ、そんな大層なskillか何かじゃないさ。ただ剣を二本持ってるだけだぜ?」
キリトのユニークスキルを除けば、剣を無理やり二本持てばエラーが発生してソードスキルが使えなくなるそうだが、Pohは元々ソードスキルを必要としておらず、攻撃の時のシステムアシストがあれば充分なのだろう。
つまり、単純に手数が倍に増えただけ……!
「さあ、excitingなkillingを再開しようぜ!」
どう行動するかを思いあぐねている間に、Pohがまず行動を開始する。
「……ええい!」
二刀流相手に後手に回れば、手数で圧されるだけだ。
とにもかくにも先手をとるため、《縮地》を起動させる。
これで《縮地》の連続使用回数五回のうち、三回まで使い切ってしまったが。
「くらえッ!」
《縮地》でPohの回りを高速移動しつつ、クナイを投げつける。
ただ投げるだけではあの死神には当たらないだろうが、クナイを投げる力加減を調整し……360°全てから、ほぼ同時にクナイを投げられればどうなるか。
「……!?」
360°クナイで囲まれた時、人間であるならば避ける場所は一つしかない。
Pohが回避場所に選んだのは、俺の予想通りにクナイが放たれていない空中。
すなわち、避ける術が全くない空中に……!
「抜刀術《十六夜》!」
ならばこそ当然ここは追い討ちをかけるため、俺もPohを追うため
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ