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魔法使いへ到る道
4.歩くのはそんなに好きじゃない
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(鮭)を頬張りながらお嬢様方のお弁当を見てみる。
 なのははいなり寿司がメイン。アリサとすずかはサンドウィッチ系統のものだった。俺とは違いサイドメニューは野菜などが主である。
 ふむ。どれも彩り豊かで美味しそうである。……あ、いや、決して俺の弁当に文句があるわけじゃないんですよ。ウチの弁当いつも美味しいし。母さんありがとう、愛してるよ。
「みんなで食べなさい、ってお母さんが多めに作っちゃったんだ。よかったらたべてね」
 なのはが弁当のふたの上においなりさんを何個か移動する。おお。これはありがたい。
 せっせとおにぎり(昆布)を飲み込み、一息つく暇も無くお稲荷さんに手を伸ばす。
「もう。ケンジくん、そんなに慌てなくてもごはんは逃げないよ」
「まったく、はしたないわね」
 何とでも言え。以前から常々なのはの弁当をつまんでいる俺は桃子さんのつくる和食のうまさを知っているのだ。お嬢様方には分かるまい。食わないと損だぜ。
 子ども用にやや通常より小さめに包まれているいなり寿司を半分までパクリ。うん、うーまーいーぞー。
 一口目を即座に飲み込み、残りも咀嚼。最速で十分に味わった後、二つ目に手を伸ばした。
「あ、コラ。あんたばっかり食べてどうすんのよ。それに、まだ自分のお弁当のこってるでしょ。それ食べてからにしなさい」
 まさに正論。ぐうの音も出ない。ぎゃふん、くらいなら言える。
 おにぎり(塩)をパクリ。パクリ。ウィンナーパクリ。パクリ。から揚げパクリ。パクリ。玉子焼きは自分ルールでラストなんです。
「これなら文句無いだろう」
「はやっ。そんなにおなかへってたの?……んー、よかったら食べる?」
 餓鬼の如き勢いで弁当のスペースを空けた俺を見て、アリサはサンドウィッチを一切れ差し出してきた。
「マジで?いいの?」
「ウソついてどうするのよ。もともとちょっと多いかな、って思ってたし。で、食べる?」
「もらうもらう。嬉しいなー」
「あ、ケンジくん。じゃあ私のもあげる」
「いやっほい」
 すずかからもサンドウィッチ貰った。スゴイ。今日はなんか豪華だ。すごく嬉しい。食物を恵んでくれたこいつらに感謝感謝。今ならこの子らの下僕になっても良いくらいだわ。
 右手にサンド。左手にいなりの構えをとる。どっちもうまー。
 いやー、この後は桃子さんのシュークリームも待ってるし、ウッハウハだなー。


 ……と思っていた時期が、僕にもありました。
 今回の敗因は、俺自身の腹の容量を見誤ったこと。今のマイボディは小学校一年生なんだから、そんなに量は食えないのだよ。
 そしてもう一つ。恐るべきはあの高町桃子だよ。
 なにあのシュークリーム。ものっそい美味しいんですけど。手が止まらないんですけど。食いすぎたからちょっと自重しようと思ってたのが
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