三十 蛇VS狐
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その粉を吸い込んだ途端、大蛇丸の身体が強張った。
急に動かなくなった大蛇丸と八岐大蛇。
同じく、妙な粉のせいで動けなくなったナルの中で、九尾―『九喇嘛』は思わず寒気を覚えた。
嫌な予感が当たって、剣呑な紅い双眸を細め、チッ、と舌打ちする。
《アイツが────来た》
「───まさか、ここで【八岐の術】を使うとはな」
巨大な樹木の上で八岐大蛇を俯瞰していた彼は、人知れず咲かせた花の上に腰掛けていた。
右近/左近・鬼童丸の遺体がある場所を痛ましげに一瞥する。
そうして、草薙の剣をなんとか押し止めようとしているナルを、彼は沈痛な面持ちで眺めた。
「それ以上はいけないよ、ナル」
巨大な蓮の花の上。
森ではなく、最初から己の術で周囲一帯を秘かに樹界に変えていた彼は、小さな九尾と化したナルを見下ろす。
蓮の花が咲き誇るその光景は、まるで極楽浄土のようだった。
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