三十 蛇VS狐
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、赤いチャクラを一瞬身に纏う。
直後、すぐさま白煙と化したが、あの赤いチャクラが九尾のチャクラであることは明白だった。
「ナル…!!」
消えた影分身達を目の当たりにして、ナルの身に危険が及んでいることを察したシカマルが印を結ぶ。
崩れた橋の向こう側。
ナルがいる方向へ行こうとしているシカマルを止めようとヤマトは手を伸ばした。
「待て、シカマル!!」
だがそれより早く、シカマルの影がぐんっと、まるで崩れた橋と橋の間を繋ぐ板のように伸びた。
地面から立体化させた影の先端を鋭くして対象を貫く【影縫いの術】。
それを応用し、立体化させた影を板のように伸ばして、崩れた橋が渡れるようにしたのである。
影でできた板を走ってゆくシカマルの背中へ「まったく…!」と悪態を吐きつつも、ヤマトもまた、橋の向こう側へ向かった。
大きな白煙と共に、八本もの白い大蛇が鎌首をもたげている。
大蛇丸がいた場所に突如出現した巨大な蛇は先ほどまで口寄せされていた蛇とはくらべものにならない。
術の名の通り、八岐大蛇がナルの目の前で巨大な口を開いていた。
巨大な蛇と対峙したナルがぐっと身を屈める。
先ほどの蛇と同じように燃やし尽くそうと、赤いチャクラを帯びた九尾の腕が八岐大蛇に襲い掛かった。
だが八岐大蛇の真っ白な鱗は、予想以上に頑丈で、九尾のチャクラを撥ねつける。
直後、八体もの巨大な蛇がナルへ向かって襲い掛かった。
先ほどの蛇のように九尾のチャクラぐらいでは燃えない八岐大蛇。
力の差はさほど相違ないが、大きさの差は歴然としていた。
八体もの大蛇に翻弄されるナルの頭上に、巨大な影が落ちる。
大蛇の直撃を受け、ナルの身体が大地に叩きつけられる。
一体の蛇の口から上半身のみを出現させた大蛇丸が、小さな九尾を見下して、口許に嘲笑を浮かべた。
八体もの体躯を大地に叩きつけるたびに、大きな砂煙が立ち上る。
砂煙に乗じて、大蛇丸は口から蛇を吐き出した。その蛇の口から更に、何かが吐き出される。
見えない視界の中、赤いチャクラを帯びたナルの身体が何かに突き刺された。
九尾の力の影響で顔を歪めたナルは、自分の腹を突き刺そうとしているソレを見下ろす。
草薙の剣でナルの動きを止め、その隙に八体の蛇に襲わせようとした大蛇丸は、ふと、違和感を覚えた。
周囲の風景が変わっている気がして、辺りを見渡す。
その顔が驚愕の色で彩られた。
「森が…動いている…?」
突如、周辺の木々の枝が絡みつき、巨大な樹木が八体の蛇を締め付けてくる。同時に、なにか粉が降ってくる。
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