アイングラッド編
紅き剣閃編
Sound Memory―音の記憶
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謝罪とお礼。そして、何か話があるようだ。
「今日はお2人にお願いがあって来たのです」
「お、お願い……?」
「はい。最初から、説明します……」
《軍》、正式名称アインクラッド解放軍。SAO最初期から存在したグループで、その大元は《MMOトゥデイ》という日本最大のネットゲーム総合情報サイトの管理者が立ち上げたギルドだとキリトが教えてくれた。
シンカーというそのプレイヤーは今のような独善的な組織を作ろうとしたのではなく、全てのプレイヤーに利潤を均等に分配しようとしたのだそうだ。
しかし、MMORPGというのはリソースの奪い合いが云わば本質であり、資源の均等分配は机上の空論でしかなかった。
徐々に指導力を失い、そこに新たな行動派のリーダーが台頭してきた。
だが、そのリーダーにも弱みはあった。
資源の蓄積だけに邁進し、ゲーム攻略をないがしろにしたということに不満が大きくなり、やがてコーバッツの件のような出来事が起きたようだ。
「3日前、追い詰められた新リーダーは、シンカーを罠にかけダンジョンの奥深くに置き去りにしてしまったのです」
「み、3日も前に……!?それで、シンカーさんは……? 」
「……《生命の碑》の彼の名前はまだ無事なので、どうやら安全地帯まではたどり着けたようです。ただ、場所がかなりハイレベルなダンジョンなので身動きが取れないようで……」
人が良すぎるのも考えものだ。
「つまり、俺達にシンカーさんを助けに行く手伝いをしてほしい、と?」
「そうです。お会いしたばかりで厚顔きわまるとお思いでしょうが、どうか救出に手を貸して頂けませんでしょうか?」
残念ながら、SAOで人を信じるということはそのまま命も差し出すということになる。ユリエールの潤む瞳を見て、アスナは信じてあげたいと痛切に思うが、感傷で動くのは危険すぎる……。
こんな時、きっとレイなら……
「……何黙ってんだ。とっとと行くぞ」
声がした方向に振り向くと、まだ痛そうに頭を抱えながらレイが起きてきた。
「レイ君、もう大丈夫なの?」
「大丈夫なわけあるか。腹が減りすぎて死にそうだ」
すると、サーシャがクスッと笑って料理を準備し始める。
「……貴方は……もしや」
「あー、何でもいいよ。どうせあれだ、この間の決闘の件で『意外と派手好きな死神さん』とか新聞に書かれてた人ですよ」
やけくそ気味に出されたご飯をモグつくレイ。
彼がいるなら、ちょっとやそっとのことではやられないが……。
「大丈夫だよ、ママ。その人、うそついてないよ」
アスナはあっけにとられ、まじまじとユイを見つめる。
「ユ……ユイちゃん、そんなこと、判るの……?」
「うん。うまく…
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