アイングラッド編
紅き剣閃編
Sound Memory―音の記憶
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る光景には見覚えがあった。
《ラフィン・コフィン討伐作戦》アインクラッドにおける最も無意味で、人間的だった闘い。崩壊する討伐隊の戦線、狂うラフコフのメンバー、討伐隊の先頭で修羅となり突き進む2つの影……。
片や、漆黒のコートをはおり、同色のロングソードが赤いラインを空に刻む。
片や、紅蓮の刃を以て敵を蹂躙し、敵の狂った戦意を消し飛ばす。
次々と無力化されるレッドプレイヤー達。反撃する手段はいくらでもある。
だが、しない。否、できない。紅蓮の刃が目からこびりついて離れない。
彼らはそれに畏怖してしまった。麻痺してしまった恐怖心が再び呼び起こされるほどの殺気から逃れる術はない。
狂気に満ちた戦闘が終わったのはこねあとすぐだ。被害は甚大、双方に少なからぬ死者が出たのは言うまでもない……。
―《音の記憶》、先ほどのノイズはおそらく、ユイの………
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side アスナ
昨日、謎の発作を起こし倒れたユイは、幸い数分で目を覚ましたが、すぐに長距離を移動させたり転移ゲートを使わせたりする気にならなかったアスナは、サーシャの熱心な誘いに甘え、教会の空き部屋を1つ借りることにした。
一方、レイはあれから一度も目を醒ますことがなく、こんこんと眠り続けている。
何故、レイが倒れたのかはいまいちよく分からないが、ユイの記憶障害や幼児退行といった症状も不可解だ。
だが、アスナは心の奥底で気持ちを固めていた。
ユイの記憶が戻る日まで一緒に暮らそう。
休暇が終わり、前線に戻る時が来ても、何か方法があるはず――。
キリトがカップを置き、話始めた。
「サーシャさん……」
「はい?」
「軍のことなんですが。俺の知ってる限りじゃ、あの連中は専横が過ぎることはあっても治安維持には熱心だった。でも昨日見た奴等はまるで犯罪者だった……。いつから、ああなんです?」
サーシャは口許を引き締めると、答えた。
方針が転換されたと感じたのは半年前、徴税という名の恐喝紛いのことを始めたグループと逆にそれを取り締まるグループが対立しているらしい。
それが、どうやら上の方での権力争いが原因だということ。
話を聞き終えたとき、キリトが不意に顔を上げ、教会の入り口のほうを見やった。
「誰か来るぞ。1人……」
「え……。またお客様かしら……」
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やって来たのは軍所属のユリエールという人だ。
昨日の件の
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