暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
アイングラッド編
紅き剣閃編
Sound Memory―音の記憶
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「すげえ……すっげえよ姉ちゃん!!初めて見たよあんなの!!」


「このお姉ーさんは無茶苦茶つよいんだぜ。怒らすと怖いけど」


にやにやこっちを笑いながら、レイが子供達のことを撫でている。

キリトも同意するように微笑んでいる。


「……え、えへへ」


自分の方にもやって来た子供達を相手にしていたその時、


「みんなの……みんなの、こころが」


キリトの腕の中のユイが宙に視線を向け、右手を伸ばしていた。慌ててそこを見るが、何もない。


「みんなのこころ……が……」


「ユイ!どうしたんだ、ユイ!!」キリトが叫ぶと、瞬きをして、きょとんとした表情を浮かべた。

アスナもあわてて走り寄り、ユイの手を握る。


「ユイちゃん……何か、思い出したの!?」


「あたし、ここには……いなかった……。ずっと、ひとりで、くらいところにいた……」


何かを思い出そうとするように顔をしかめる。と、突然。


「うあ……あ……あああ!!」


「……!?」


ノイズじみた音が耳に響き、直後、ユイの硬直した体のあちこちが崩壊するように激しく振動した。


「ゆ……ユイちゃん……!」


「くそっ……!!」


見ると、レイが倒れて耳を塞いでいた。どうやらノイズの音に酔ってしまったようだ。


「ママ……こわい……ママ……!!」


か細い悲鳴を上げるユイをキリトの腕から抱き上げ、アスナはぎゅっと胸に抱きしめた。数秒後、怪現象は収まり、硬直したユイの体から力が抜けた。


「なんだよ……今の……」


「…………」


これも何かのバグなのだろうか?


「……ッ!!レイッ!!大丈夫か!?」


はっと顔をあげると、少し離れたところに、レイが倒れていた。

キリトの呼び掛けにはピクリとも反応しない。気絶しているようだった。


「……とにかく、教会まで戻りましょう。レイさんもあそこならゆっくり寝かせられます」


キリトがレイを背負い、一行は一端教会まで戻っていった。






_________________________







side レイ



暗い……ここはどこだ?ポーン、ポーンと、時おり電子音がするのは何故だ?アインクラッドには機械は存在しないはず……。

辺りを見回し、そこが完全な暗闇でないことを理解すると同時に、その光源たる電子パネルの意味も理解した。

《モニター室》ここはそういう場所のはずだ。

下を見ると、そこには無表情な顔をしたユイがいた。

膝を抱え、パネルをじっと見つめている。そのパネルに映ってい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ