アイングラッド編
紅き剣閃編
Encounter―遭遇
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りたい気持ちはある。約束があるから。
しかし、今を全力で生きているこの瞬間の充実したこの気持ちは向こうでは得られなかったものだ。
葛藤はあるが、決して後悔はしていない……はずだ。
2人もそれぞれ感慨深いものがあるようで空をじっと見ている。2年前、茅場晶彦が現れた、その場所を………。
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「ユイちゃん、見覚えのある建物とか、ある?」
「うー………わかんない……」
「まぁ、はじまりの街はおそろしく広いからな」
キリトがユイの頭を撫でながら言った。
「あちこち歩いていればそのうち何か思い出すかもしれないさ。とりあえず、中央広場に行ってみようぜ」
「そうだね」
「りょーかい」
広場はとてつもなく広い。デスゲーム開始時に全プレイヤーを収容したまさにその場所であるから、1万人は入るだろう。
「それにしても、人っ子一人いないのはどうゆうことだ?」
「そうだな……。マーケットの方に集まってるのかな?」
しかし、いたのはNPCだけ、売り子の声がやたらと虚しく響いている。
「ん、人だ」
「あ、本当だ。ちょっと訊いてみよ」
アスナが近寄っていくので、やむなく付いていくと、特に特徴のないおっさんだった。
そのおっさんに教会に年の若いプレイヤー達が住んでいると聞いて、そこにやって来た。
「ち、ちょっと待って」
教会に向かって歩き出そうとする俺達にアスナが声をかけた。
「どうした?」
「あ、ううん……。その……もし、あそこでユイちゃんの保護者が見つかったら、ユイちゃんを……置いてくるんだよね……?」
それを聞いたキリトの目がアスナをいたわるように和らいだ。……いつの間にそんな目ができるようになったんだお前。
キリトは近寄ってユイごとアスナを抱きしめて言う。
「別れたくないのは俺も、レイも一緒さ。……ユイがいることで、あの森の家が本当の家になったみたいな……そんな気がしたもんな……。でも、もう会えなくなるわけじゃないし……それに、でかい長男もいるだろ」
まだそのネタを引っ張るか!!と思ったが、ここでそれを突っ込むのは野暮だ。なので、とりあえずのっとく。
「まぁ、少なくとも俺はどこにも行かないから、な?元気出せ」
「ん……。そうだね」
小さく頷くと、意を決して歩き出す。アスナが扉の片方に手をかけ押し開けた。
「あのー、どなたかいらっしゃいませんかー?」
声の残響が消えていっても誰1人出てこない。
「誰もいないの
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