アイングラッド編
紅き剣閃編
Encounter―遭遇
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「うん………わかんない」
「……そっか」
しばらくすると、はじまりの街までユイの知り合いを探しに行くということになったので、同行することにした。
アスナがユイに厚手のセーターを着せようとして、ピタッと止まる。
「ユイ、ウインドウ、開けるか?」
アスナの戸惑いを察したキリトがユイに訊ねた。
首をかしげる少女に自分の手を振ってやってみせる。
ユイは同じように真似て見るが、ウインドウは出現しない。
「システムがバグってんのか?」
「たぶん……記憶が無いのもあるいは……」
キリトが考え込むと、俺はふとある可能性に至って試してみることにした。
「ユイ、逆の手でやってみてくれないか?」
「こう?」
はたして、ウインドウが表れると2人があっけにとられていた。
「どういうこと?」
俺はこの時点である結論に至ったが、2人の事を思い取りあえずの方便を使うことにした。
「……多分、年齢対象外の脳波にナーヴギアが上手く作動してないんじゃないか?」
「そんなことがあるのか?」
「さあ……俺は設計者じゃないし」
とにかく、今議論してもしょうがないことなので取りあえず放置、ということとなり、アスナが今度は可視モードのボタンをユイの手で押す。
「な……なにこれ!?」
見ると、おおよそプレイヤーのそれとはかけ離れたウインドウ。
「ま、わからんもんはいくら考えても仕方ないさ」
「……そうだね」
アスナが改めてユイの手でウインドウを操作し、すっかり装いを変える。
「さ、お出かけしようね」
「うん。パパ、だっこ」
キリトは照れながらユイを抱きかかえると、そのままちらりとこっちを向いて、言う。
「2人とも、一応、すぐ武装できるようにしといてくれ。街からは出ないつもりだけど……あそこは《軍》のテリトリーだからな……」
「ん。気を抜かない方がいいね」
「抜かりはない」
そういって普段着にしている赤の紋様が入った丈が長めのパーカーの裏に吊ってある小太刀を見せると、2人に微妙な顔をされた。
__________________________
はじまりの街は言うまでもなくアインクラッド最大の都市だ。最初にプレイヤー全員を収容するキャパシティがあったほどに。
全てが始まった日、俺はこの途方もなく長い任務に辟易していた。十分な見返りを条件としたが、やはり不安や葛藤もあった。
それから約2年。俺の心境は180度いや、全く別物に変わっていた。帰
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