アイングラッド編
紅き剣閃編
Encounter―遭遇
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「なわけねーだろ!!」
「ち、違うもん!!」
では、何だというのだ。不可解なことに《索敵》はおろか、目を合わせてもカーソルすら出ない。
「……ママ、このお兄ちゃん……誰?」
「ええと、パパとママの友達よ、ユイちゃん」
「お兄ちゃん?」
「……えっと……そうだよ。お兄ちゃんだよ」
「待てい」
「にぃにぃ!!」
ガバッと飛び付いてくる。
「ちょっ………」
何とか受け止めたが、なんだ?なんでこんなに懐かれてるんだ?
「……アスナ、うちの長男が既にこんなにでかいんだが……」
「レイもこんなにやんちゃだったね〜」
「同年代の親とかいてたまるか!!」
ていうかアスナさん……何故にそんなリアル我が子を見る目をしてるんだ!?
「……で、とにかく、どっから持ってきたんだこの子は」
今だに胴にぶら下がっている『ユイ』という女の子を抱えあげながら俺は訊ねた。
__________________________
どうやら俺の妹は拾って来られたらしい。
何の皮肉か、現実世界の我が義妹君も拾われた――というと少し語弊があるが、その話はまた今度――子なので俺としてはあまり違和感がないな。
これから昼食だから一緒にという2人の好意に甘え、サンドウィッチを頂く。
ユイはどうやらキリトの食べている激辛味が気になるらしく、ねだっている。
「ユイ、これはな、すごく辛いぞ」
「う〜……。パパと、おんなじのがいい」
「そうか。そこまでの覚悟なら俺は止めん。何事も経験だ」
マスタードたっぷりのサンドウィッチを難しい顔でもぐもぐさせていたユイは、ごくりと喉を動かすとにっこり笑った。
「おいしい」
「中々根性のある奴だ」
ちなみに、俺は本来ユイの食べるはずだった甘いパイをもらった。
俺の分のサンドウィッチ(辛さ控えめ)は食欲旺盛なユイにあげたからだ。
「……辛くない」
「辛いのが好きなのか?」
「うん!」
「お、じゃあ晩飯は激辛フルコースに挑戦しような」
「もう、調子に乗らないの!そんなもの作らないからね!」
食べ終わり、2人が食後のミルクティーの飲んでいる間、俺はユイにせがまれ、肩車をしていた。重さはさほど感じない。愛刀の方が重いぐらいだ。
「なあ、ユイ」
「なに、にぃ?」
短くなったようだ。にぃにぃちょっと気に入ってたのに……。
「ユイは自分がどこにいたか、本当に何も覚えてないのか?」
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