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架空戦記〜東洋海戦争1941〜
第十四話「戦いの後」
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統合歴1941・8・22・10:00
〜イハワ王国side〜
「…副艦長」

「何ですか?」

「生き残れたな。俺たち」

「そうですね」

パールハーバーのドック、修復が行われている軽巡洋艦カイルアの前でタツミは副艦長のジョージにそう言った。

第二通商破壊艦隊との海戦から約一週間が経過した。当初は第二巡洋艦隊が劣勢であったがタツミの無謀ともとれる行動のおかげで危機は脱するどころか軽巡1、駆逐3を沈めるという被害を敵艦隊に与える戦果まで得ていた。しかし、こちらの被害も大きく軽巡2、駆逐3が沈み期間であるカフルイを除く全ての艦がドック入りとなっていた。

その中でも一番無理をしたカイルアの損傷は酷くしばらくの間はドックから出す事は適わない状況であった。

「しかし…、上層部も結構カツカツなんだな」

タツミは今回の戦果を受けて大尉から少佐へと昇進していた。昇格するのは純粋に嬉しいがこうも簡単に階級が上がる事に不安を抱いていた。

「それだけベテラン勢の不足が大きいと言う事でしょう。今は簡単に上がる階級に感謝していればいいと思いますよ?それに階級に見合う功績をあげれば誰も文句は言わないでしょうし」

「それもそうなんだがな〜」

「それより、カイルアの修復はしばらくかかるので別の軽巡洋艦に乗船せよとの事です」

「流石に遊ばせておくことはしないか。…その軽巡は?」

「カイルアと同型艦です。暫くは軽巡洋艦の全てはこの同型艦で固定されると思います」

「神星ルドワ帝国相手じゃ全てにおいて劣っていると思うけどこれがうち(イハワ王国)の限界か」

タツミの言葉にジョージの目が細くなる。今の言葉は少し不謹慎であった。もし誰かに聞かれて密告でもされれば…。

幸い近くにはカイルアの修復で忙しそうな作業員しかおらず呟いたタツミの声が聞こえている者はいなさそうであった。

ジョージはタツミの何気ない一言に溜息を吐くのであった。






〜神星ルドワ帝国side〜
神星ルドワ帝国の神話には面白い話がある。曰く自分たちは別の世界の住人で神聖ルドワ帝国の唯一神が神星大陸と共にこの地にやってきたというものであった。これを信じている神星人は多く他民族を見下す要因にもなっていた。

そんな不思議な神話がある神星ルドワ帝国、その特等区には唯一神のちを引くと言われている皇族が住んでいた。そんな特等区の一角、皇帝の直系のみが住むことを許された城にて一人の女性が歩いていた。

神星ルドワ帝国の海軍将校の軍服に身を包んだ長身の女性は余計な物音がしない城内でコツ、コツと小気味良い靴音を立ててある場所へと向かっていた。

暫くして目的の場所、謁見の間に到着した女性は扉の前に立つ近衛兵に視線を向け
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