26 家を失くした少女
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こえなかった。
「奈美子ちゃん、どうしよう?」
「とにかく、言われた通り、御穂神社に行ってみよう」
二人は御穂神社へと向かった。
まき子と奈美子は御穂神社の焼け跡に辿り着いた。ここは何とか戦火を免れており、鳥居も、社殿もそのままだった。
「それにしてもこんな所に何があるんかね?」
「うん、でもここに私達を助けてくれるものがあるっていうし」
「かつがれただけじゃないの?あの声ももしかしたら誰かの悪戯だったりして」
「う、う〜ん」
「いいえ、私は貴女方を騙してはいません」
先程と同じ声がした。二人は周りを見回すと、上から一人の女性が舞い降りてきた。二人は天女かと一瞬思った。
「私こそが貴女方をお呼びしました、です。貴女方は只今相当な苦労をしておられる。ですが、私なら貴女方の今の状態を変える事ができる物があります」
「今の状態を変える物?それってどこにあるの?」
「あの神馬の所にございます。あちらにある杖と護符がまさにそれです」
三穂津姫が指を指した方を見ると確かにその神馬に杖と護符あった。
「それは平和を願おうとする世界から贈られた杖と護符。北条まき子さん、貴女はこちらを、三河口奈美子さん、貴女はこの護符をお持ちなさい」
二人は三穂津姫から言われた通りに杖と護符を手にした。
「これにはどんな意味があるの?」
まき子は質問する。
「貴女が持つ杖は様々な物に向ければその物を型取る言葉ができます。例えば炎に杖を向ければ炎を操る事ができ、風が吹いている時に杖を出せば竜巻を作ったりなどの風を操る事ができます。説明書もお付けしましたのでお読みになられてください」
「じゃあ、これは?」
奈美子が続けて質問する。
「貴女のその護符は富士山のが込められたものです。何か苦痛な事に耐えられぬ時が訪れた時、その護符は必要な、あるいは役立つ物を授けたり、それがある場所へと導きます」
「凄いねえ!」
「但し、単なる私利私欲には効果がありませんのでお気をつけてください。説明書もございます」
御穂の神は説明を続ける。
「今のような苦痛の時期には大いに役立つはずでしょう。しかし、貴女方の生活が安泰になってきた時無闇に使うと天罰が下ります。ではよく考えてお使いになられてください。では」
三穂津姫は天に昇って姿を消した。
「これ、慎重に使わなきゃね、まきちゃん」
「うん」
「これで食べ物でも出せればなあ〜」
奈美子は呑気な事を考えた。その時、奈美子の護符が光りだした。
「え!?」
二人は驚いた。護符は奈美子の手を離れ、海の方へと向かった。
「お、お〜い!」
二人は護符を追いかけた。海の前で護符が止まった。そこから二人の所に魚が飛んできた。魚はマグロだった。
「うわあ、マグロだ!見るの久しぶりだよ!」
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