暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生の林檎園
第一幕その十

[8]前話 [2]次話
「あちらはお蕎麦の本場の一つだから」
「絶対に食べましょう」
「勿論林檎もだけれど」
「お蕎麦も食べてね」
「楽しまないと」
「そのことも当然だよ、あとね」
 先生は皆にこんなことも言いました。
「長野で林檎が植えられる様になったのは最近なんだよね」
「あれっ、そうなの」
「長野っていえば林檎だけれど」
「青森と並んでね」
「それでも最近のことなんだ」
「日本に林檎が入ったのは明治からだからね」
 この時代からのことだからというのです。
「江戸時代はね」
「長野県には林檎なかったんだ」
「それで皆食べていなかったんだ」
「長野県といえば林檎でも」
「じゃあ木曽義仲さんも林檎食べていないんだ」
「それで真田幸村さんも」
「そうだよ、皆ね」
 本当にというのです。
「林檎は食べていないよ、あとお蕎麦も麺になって定着したのは江戸時代のことだから」
「ううん、それじゃあだね」
「幸村さんも義仲さんもお蕎麦食べてないんだ」
「こちらも」
「そうなんだね」
「そうだよ、そちらもね」 
 本当にというのです。
「食べていないよ」
「お蕎麦も林檎もない長野県」
「ちょっと想像出来ないね」
「僕もだよ、例えるなら」
 ここでこうも言った先生でした。
「紅茶のないイギリスかな」
「うん、何でもない感じだね」
「紅茶がないとね」
「あれだけ食べもので世界的に言われてるのに」
「それまでないとなると」
「もう何って感じで」
「何もなくなるね」
 皆も口々に言います。
「イギリスは紅茶の国なのに」
「他にあるのは何っていう位に」
「他の食べものは散々言われてるから」
「お酒はウイスキーがあるけれど」
「飲みものはね」
 普通のそれはというのです。
「まさに紅茶あってこそなのに」
「その紅茶がないとね」
「イギリスってね」
「凄く弱いね」
「本当にそうだね」
 例えを出した先生ご自身も言います。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ