第1.5章(AA1巻) 切られし火蓋(リマインド)
第16弾 作戦(オペレーション)コード 『/(スラッシュ)』
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確かめる。
……脈も呼吸も安定している。
良かった、生きてる。
だが、意識が無い。
昏睡しているようだ。
近くには凛音の持っていたAR『ステアーAUG』が落ちていた。
ステアーAUGはオーストラリアのシュタイヤー・マンリヒャー社がオーストラリア軍向けに作ったARである。
それ故オーストラリア軍ではこの銃が正式採用されている。
俺はAUGの弾倉を確認する。
この銃は通常30発、弾倉を交換すると42発入る。
因みに凛音のは後者である。
すると弾が10数発撃たれていた。
どうやら交戦して直ぐにやられてしまったようだ。
つまり奴はこの倉庫にいる。
そう考えた俺は周囲に目を向ける。
……しっかしコンテナだらけの倉庫だな。
「何探してるんだ?」
俺の正面にあったコンテナの前に突然、奴が???水蜜桃が現れた。
「凛音に何をしたんだ?」
凛音を抱えた状態の俺は水蜜桃を睨みつけつつベレッタを向ける。
不味い、サイレントアンサーが切れ始めている。
このまま行けばどうなるか分からない……。
奴の返答次第では飛びかかるかもしれない。
「安心しろ。ただ眠らせただけだから。あ、でもちょっと強めの奴で寝かせたから当分の間起きないだろうけどな」
水蜜桃は軽く思い出すような仕草をしながら言った。
……催眠薬の類か。
恐らく気体式のやつだな。
俺は推理しながらも現状打破の策を考える。
しかし、何も思いつかない。
「……お前に選択肢をやる」
突然水蜜桃が言った。
「選択肢?」
あまりの事に鸚鵡返ししてしまった。
「そうだ。1つはお前の持ってる講武実用流の奥義を渡す、もしくは『イ・ウー』に来る。2つ目は???ここで死ぬ」
この場でそれを言うか。
まあ、答えは1つしかないけどな。
「……どちらでもない。俺は、お前を捕まえる」
その言葉を聞いた水蜜桃は不敵な笑みを浮かべた。
「そう言うと思ってたぜ!!」
言葉と共にいつのまにか握っていた銃???俺の愛銃と同じベレッタM93Rを、凛音の頭部に向けて発砲した。
「……な!?」
突然の出来事に俺は反応できなかった。
予測出来ていれば動けていた。
だが、予測できなかった。
???ヤバい。このままだと凛音が死ぬ。
その単語がきっかけとなり、頭の中で様々な記憶が蘇る。
……走馬灯? いや、違う。
これはバーストモードが何かを言おうとしている。つまりメッセージだ。
記憶に映っているのは……全て無力な自分。
どういうつもりだ? 何も出来ない俺なん
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