第1.5章(AA1巻) 切られし火蓋(リマインド)
第16弾 作戦(オペレーション)コード 『/(スラッシュ)』
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ここで奴の言葉に耳を貸せば奴の思う壺。
あの時の様に口車に乗せられてしまう。
だからこそ、奴の言葉に耳を貸すな。
「ある程度は、な」
受け流しながら返答する。
「で、こんな所まで来てどうする気だ?」
そんな事言うまでも無い。
「お前を逮捕する。その為に俺はここに居る。それだけだ」
それを聞いた水蜜桃はどこか満足げな表情を浮かべた。
「何だよ?」
「何って、そう来なきゃ面白く無いなと思っただけだ」
……は?
「どう言う意味だよ?」
すると水蜜桃は、コンテナから降り不敵な笑みを浮かべこちらに向き直る。
「こう言う事だ!」
叫ぶと同時に煙幕が張られる。
「待て!」
俺は銃口を見えなくなりつつある水蜜桃へと向ける。
「良いのかそんなもん使っちまって?」
その言葉を聞いて気づいた。
この煙幕には僅かだが火薬と小麦粉が含まれている事に。
俺は慌てて近くのコンテナの裏へと滑り込む。
僅かに遅れて爆発が起きる。
「……ッ! やりやがった」
呟きながら立ち上がった俺は周囲が安全かを確かめる。
建物への損傷は……恐らくだが壁のみだな。
天井等に亀裂は見られない。
そうだ……あいつは?
先程まで水蜜桃の居た位置を確認する。
そこには穴の空いた壁があるのみ。
急いでそこから外へ出る。
周りに人影は無い。
……何処へ行った?
奴の行き先をサイレントアンサーの脳を回転させて考える。
すると足元に足跡を見つけた。
これは……燃えなかった粉末が積もった所を踏んだ跡の様だ。
その足跡のつま先の方角へ逃げたと俺は推測した。
俺は倉庫の入り口側に回ると停めてあった自転車に跨る。
そして、インカムを繋ぐ。
「聞こえるか? 水蜜桃が逃げた」
俺の問いかけにマキが答えた。
『聞こえるよ。どっちの方角に逃げた?』
「凛音がマークしてる方角だ。今から追いかけて加勢する」
『了解。凛音にも伝えておくね』
通信を終えた俺は自転車を漕ぎ始める。
加速した自転車で倉庫の間を走り抜けていく。
その途中マキから通信が入る。
「どうした?」
『大変! 凛音が!』
それだけで言いたい事は大体分かった。
俺は自転車を飛ばす。
クッ……サイレントアンサーのせいで飛ばし切れない!
今の状態の全速力で自転車を漕いだ。
そして、凛音の居る地点へと到着した。
乗っていた自転車を放り出すとそのまま倉庫の中へと走る。
無事でいてくれ……凛音!
倉庫に飛び込むと、床に倒れ伏した凛音の姿があった。
急いで駆け寄り容態を
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