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暇にかまけて
第一章

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               暇にかまけて
 暇だった、女優の熱田幸奈はこの時仕事はオフだった。女優の本職であるドラマの撮影もバラエティ番組や旅番組の収録もなく写真集や雑誌の撮影もなかった。
 朝早く起きて日課のスタイルを保つ為のトレーニングを終えてお風呂も入ってすっきりして朝ご飯を食べたところで時間を見るとまだ八時だった、それで同居している妹で大学生の春奈に言った。
「今日何しようかしら」
「お姉ちゃんお酒好きだから飲んだら?」
 妹は大学に行く用意をしつつ姉に素っ気なく返した。
「そうしたら?」
「といってもね、朝から飲むとかね」
 どうしてもとだ、幸奈は妹の提案にどうかという顔で返した。
「ちょっと」
「それはしないのね」
「お買いもの行くにも買いたいものないし本もゲームも今は読み終えてクリアして」
 そうした趣味もというのだ。
「ちょっとね」
「本とかゲームとか買いに行けば?そこから外出して楽しめば」
「それでも八時よ、お店開くの大体十時とかなのに」
「それまで時間潰せばいいでしょ」
「その時間の潰し方がないのよ」
 今八時なのでそれまでの二時間程はというのだ。
「だからあんたに言ってるのに」
「その間テレビ観たりとかしたら?」
「今面白い番組ないわよ」
 時間的に幸奈の観たい番組がないというのだ。
「結局」
「じゃあもう一度寝たら?」
「すっきり覚めて寝られないわよ」
 トレーニングと入浴、朝食の後でというのだ。
「だからあと二時間何をしようかしら」
「じゃあコーヒーでも飲んだら?私行くから」
「寂しくなるわね、話し相手いないと」
「仕方ないでしょ、これから大学だし。というか二時間位一人で何とかしてね」
 妹は最後はこう言ってだった。
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