箱舟マクシム 起動
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
射出寸前の神の裁きを激しく放電させ、エネルはアキトへと突貫するも奇妙な力をその身で感じ取っていた。
やがて神の裁きがアキトへと迫る。
この近距離で神の裁きを回避することは不可能だとエネルは確信する。
エネルが右腕を放電させ、その顔面に狙いを定め、神の裁きを射出した。
しかし、その狙いは大きく外れ、エネルの右腕はアキトの顔の左横の岩石へと叩き込まれていた。
神の裁きは岩石を消失させ、その莫大なエネルギーの本流は虚空を突き進んでいく。
何だ、今のは……?
エネルは眼前で生じた不可解な現象に怪訝な顔を浮かべ、神の裁きを中断し、アキトの傍から即座に離脱する。
ゴロゴロの実の力を得て以降、回避行動を選択することのなかったエネルが初めて相手から距離を取った。
「……貴様にも最後に問おう。私に服従し、限りない大地へ共に旅立つつもりはないか?」
エネルはアキトへ語り掛けることで心の平静を保ち、返答次第では再び神の裁きを放つために右腕に力を集束させる。
対するアキトは無言でエネルを見据え、愚問だと言わんばかりにその問い掛けに応えない。
「そうか、ならば死ね」
エネルがそう答えた瞬間には、神の裁きを纏った右腕はアキトの顔面へと突き出されていた。
瞬間、アキトがその紅き瞳を見開く。
「……!?」
途端、周囲の空間に途轍もない不可視の力が現れ、エネルの神の裁きは掻き消され、身体そのものが遠方まで吹き飛ばされた。
大地の表層が抉れ、爆風が生じ、周囲の瓦礫が粉微塵に吹き飛んでいく。
アキト本人の背後の岩石も砕け散り、大気に砂塵が舞い上がる。
エネルは地面へと着地し、アキトを警戒した様子で見据える。
「……」
何だ、今の力は……?
ただの衝撃波とは何かが違う
周囲一帯があの青海人を中心に全て吹き飛んでいる
エネルは困惑しながらも、次の手を模索し、背中に背負った太鼓を叩き鳴らす。
「……ならば、"雷獣"!!」
顕現するは莫大な雷のエネルギーを秘めた獣
その電圧は数千万ボルトを誇り、その獣は大地を縦横無尽に駆け、多角的な軌道でアキトへと迫った。
しかし、それすらもアキトに届くことはなく、"雷獣"は虚空にて虚しく霧散する。
「物理攻撃だけではなく、雷そのものさえも弾くのか……!」
エネルはこの青海人の能力とは一体何なのか、戦慄しながらも思考を駆
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ