箱舟マクシム 起動
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黄金都市シャンドラ
今、この場にはアキトとエネルの2人が相対していた。
両者の視線が交錯し、アキトの感情の高ぶりにより磁力が発生し、エネルの雷と反発し合う。
『……』
アキトがこの場に現れてから両者は一言も言葉を発することなく、互いに睨み合っている。
この場に遅れて到着したナミ達はアキトの背後で待機し、地面に倒れているゾロとサンジはロビンの能力で戦線を離脱した。
エネルから迸る雷が強くなり、大地の表層を傷付けていく。
両者の間は磁力と雷という不可視の力でせめぎ合い、大気が振動したと錯覚する程の力の本流が顕現し、その場の空間そのものが歪んだように見えた。
亀裂が、エネルの"のの様棒"に罅が走っていく。
アキトの右手のあまりの力に次第に亀裂が入り、"のの様棒"そのものが崩壊していく。
そして、遂に、ひしゃげたような甲高い破砕音と共にエネルの黄金の"のの様棒"の先端が粉微塵に砕け散った。
同時に、両者が動く。
エネルの身体が放電し、身体そのものが雷と化し、アキトの視界からエネルの姿が突如として消失した。
身体そのものを雷へと変容させ、虚空へと消え、その場から途轍もない速度で移動したのだとアキトは理解する。
アキトはその身を勢い良く大地へと屈み込んだ。
これまでの幾たびの戦闘経験、戦闘センス、先見能力、未発達の見聞色の覇気を総動員してエネルの攻撃をこの時点で完璧に回避する。
ゴロゴロの実の雷の力による目視することも不可能なレベルの高速移動がアキトへと牙をむいていた。
突如、エネルの左足が先程までアキトの頭部があった場所を怖ろしい程の速度で蹴り抜き、エネルがその姿を再び顕現させる。
しかし、既にアキトはその場には存在せず、エネルの足元にいた。
エネルはこれまで片付けてきた有象無象とは一線を画すアキトの戦闘力に少しばかり驚嘆する。
神の裁き
しかし、それも刹那の思考であり、次の瞬間には周囲一帯を吹き飛ばす神の裁きを天から落とす。
だが、その攻撃もアキトは射程距離外まで一瞬で回避し、エネルを再び驚嘆させた。
背後にはエネルがゾロとサンジをこの場へ突き落すために破壊した鉄の試練の舞台を形作っていた岩石が積み重なり、アキトは奇しくも回避不可能な場所へと追い込まれていた。
エネルが再びその身を雷と化し、虚空へと消える。
逃げ場のない岩石の山へと追い込まれたアキトの前にエネルは雷の速度で一瞬で現れ、右腕に既に集束させた神の裁きをアキトの顔面へと叩き込むべく腕を突き出した。
狙いは顔面
対象であるアキトに回避の動きは見られない。
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