第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第8節「胸に宿した誓い」
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ゃったのかも」
「残ったのは生弓矢だけか……」
「今回の任務は、発掘された生弓矢を研究施設へと輸送する運搬車、それを護衛する事だ。何も無い事を祈りたいが、万が一という事もある」
確かに、聖遺物の護送となればシンフォギア奏者の出番だ。
二年前にライブ会場の裏で行われていた、完全聖遺物の起動実験。その際、二課が保有していた第2号聖遺物イチイバルと、実験中だった完全聖遺物が失われた。どさくさに紛れ、何者かに盗まれたと考えるのが妥当だろう。
聖遺物は世界各国が極秘で研究を重ねている。他国から盗みたい国家だって、幾つ存在することか。
故に、警戒は厳重でなくてはならない。またしても聖遺物を何者かに奪われるなど、あってはならないのだ。
「任務は明朝。翼と立花、それから……」
「俺も行かせてください!」
叔父さんの言葉を途中で遮り、挙手で意志を示す。
その俺の顔を真っ直ぐ見て、叔父さんは問いかける。
「遊びじゃないんだぞ?」
「承知の上です。俺も姉さん達と一緒に、人々を守りたいんです!戦えないなら、戦えないなりに出来ることがある筈です!」
「では、今一度聞こう。翔、お前は何故二課への配属にそこまで拘る?」
知れた事!その理由は変わっていない。
いや、少しだけ形は変わったと思う。罪滅ぼしとはいえ、自分の命を軽く見てはならない。今ならその実感が、この胸の奥に強く有る!
「今日を生きる誰かの命を、明日へと繋ぐため。そして、誰かを守る為に戦っている人達を支えるため!理由はただ、それだけです!」
「自らの命を懸けてでも、か?」
「命を懸けなければやっていけない仕事ですから、それは当然です。しかし、だからといって死んでもいい、なんて言うほど俺も馬鹿じゃありません!誰かの命を救って、自分も必ず帰って来る。それこそが俺の、常在戦場の決意です!」
「その言葉を待っていた!」
叔父さんは満足そうな顔で俺の肩に手を置いて続けた。俺が待ち焦がれていた言葉を。
「風鳴翔!今日からお前を正式に、我らが特異災害対策機動部二課の実働部へ配属する!」
「ありがとうございます、叔父さん!」
「あと、任務中は司令と呼ぶように」
「はい、司令!」
夢にまで見た二課への配属。数年越しの祈願の成就に胸が踊る。
これで俺は、姉さんや立花の戦う姿を見ているだけじゃなくて、二人を支える事ができる!
「やったね翔くん!」
「うおおおおおおおっ!?」
声をかけられ振り返ろうとした瞬間、立花が背中から飛び付いてきた。
立花的には無邪気なスキンシップのつもりなのだろうが、何か柔らかい感触がッ!?立花のやつ、意外とあるぞ!?
「たっ、立花!あんまり引っ付くな!距離が近い!!」
「そっ、そそそそうだぞ立花!なんのつもりの当てこす
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