ターン17 錬金武者対赤髪の夜叉
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、するするとまとわりつくように無数の触手が地下から延びる。先端に棘が付きものが挟めるようになっているそれは車体の窪みや起伏をとっかかりとしてさらにその奥深くへと延びていき、ついには鬼の面すらも見えなくなるほどがんじがらめに縛りあげた。そして完全にテツドウ−Oを覆いつくした触手に、一斉に強い力がこもる。いかに分厚い金属の塊といえども全方位から一斉に向けられた力には耐えきれず、徐々に小さくなっていく触手の塊の中から何かがひしゃげて潰れていく嫌な音が響いた。
「テツドウ−O……!」
「だいぶさっぱりしたじゃねえか。だが、まだだ!ディノミスクスの発動にチェーンして墓地のマーレラをモンスターとして蘇生、そして今捨てた馬頭鬼の効果を発動。帰ってこい、真紅眼の不屍竜!」
バージェストマ・マーレラ 攻1200
真紅眼の不屍竜 攻2400→2700 守2000→2300
エクシーズ召喚でモンスターが減ったはずが、むしろ盤面がさらに増える異常事態。今度追い詰められているのは、一転して鼓の方だった。しかし彼女にもまだ、場のカードの破壊をトリガーとしてデッキからメタルフォーゼをリクルートするメタルフォーゼ・カウンターがある。かなり厳しい戦いではあるが、まだ粘ることも決して不可能ではない。
はずだった。
「アタシの手札は残り1枚……これで終いだ。魔法カード、アンデット・ネクロナイズを発動。アタシのフィールドにレベル5以上のアンデットが存在するとき、相手モンスター1体のコントロールを1ターンの間だけ得る」
アンガー・ナックルが破壊されることなく場を離れたことで、もはやメタルフォーゼ・カウンターの発動タイミングはない。それはつまり、もはや鼓に打てる手がないということでもある。
勝負はついた。静かに勝敗それぞれの運命を受け入れた女戦士たちが、むしろ穏やかに言葉を交わす。
「あの状況から捲り返してくるとはな。相も変わらず、理不尽な奴だ」
「劇的な逆転、と言ってくれ。なあ、八卦ちゃん?」
「本当に、あんなピンチを切り抜けるなんて……やっぱりお姉様は、私の目標のデュエリストです!」
「な?」
「やれやれ……この女泣かせめ。本当に心底変わらんな、お前は」
興奮のあまり頬を上気させて目を輝かせる少女の純粋な表情を一瞥し仕方がないと苦笑する銀髪に、不敵な笑みで応じる赤髪。対照的な表情を浮かべる2人のデュエルは、今ようやく終わろうとしていた。
「バトルフェイズ。バージェストマ・マーレラと真紅眼の不屍竜で攻撃だ」
バージェストマ・マーレラ 攻1200→鼓(直接攻撃)
鼓 LP3900→2700
真紅眼の不屍竜 攻2700→鼓(直接攻撃)
鼓 LP2700→0
「やれやれ、お前相手にはなか
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