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冬木市にやってきたアルトリアズのお話
休日の朝
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焼いていく。
 
半熟と固まった状態の中間地点あたりで卵を巻いていく。
 
桜「先輩、おはようございます」
 
後ろから後輩の声が聞こえ、俺は振り返る。
 
士郎「桜か、おはよう。どうしたんだ、こんな早くに。今日の当番は俺だぞ?」
 
この衛宮家ではそれぞれの家事の担当を当番制にして行っている。
 
それぞれの負担を限りなく減らすため、昔桜がお見舞いに来た時以来ずっと続いている風習である。
 
普段の桜ならもう少し遅く来るが、今日は普段よりも30分程早く来ていたのだ。
 
桜「先輩一人では、セイバーさん達のご飯を作るのは大変だろうと思いまして、手伝いに来ました!」
 
むん、と俺のかわいい後輩は胸をはる。
 
いや、別に変なところなんて見てないぞ。
 
これは男として仕方がない、本能的なものでありだな…。
 
あっ、でも桜確実に今俺の目線の先見てた。
 
我が生涯に一片の悔い…ありまくりじゃい!
 
「シロウ、おはようございます」
 
意図してもいない助け舟が来た。
 
この声は恐らくアルトリアである。
 
いや、今はアルトリアズがいるお陰で声での判別は難しい、いや不可能なのだが。
 
俺は船に縋り付く想いで戸から入ってきた人を見る。
 
士郎「お、おはようアルトリ…ア…」
 
桜「おはようございます、獅子王さん!黒獅子王さん!」
 
獅子王「桜もおはようございます」
 
ランサーオルタ「朝食はまだか。この家は王をこの程度の事で待たせるというのか」
 
どうやら助け舟にはとんでもない地雷が仕掛けてあったらしい。
 
助け舟に飛び乗った俺は見事にその地雷を踏み抜き、彼女達の胸の前に下がった豊満な果実を思わず凝視してしまう。
 
いや、桜も桜なんだけど、彼女達、ランサー組はそれを凌駕するほどの破壊力の持ち主だ。
 
獅子王「…?どうかされましたか、シロウ」
 
士郎「あ、い、いや、別になんでもない。飯にしよう。ほかの皆は?」
 
俺は目線を外し話をすり替える。
 
皆が起き始めているようなので、早めではあるが朝食にしようと思ったのだ。
 
ランサーオルタ「ダブルエックス以外は起きている。彼女も今まで働き詰めだったのだ、少しは休ませてやって欲しい」
 
意外だった。
 
人はどうしても見た目で第一印象を決めてしまうため、ランサーアルトリアはとても冷酷な人だと勝手に思っていたのだがそれは違うようだ。
 
人の睡眠の重要さをよく理解しているらしい。
 
そして、ダブルエックスが働き詰めとは…。
 
ここに来る前はなにか仕事をしていたのか?
 
アルトリア「それは貴女の朝食の分け前が増えるから、という理由ではありませんか」
 
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