第二章
[8]前話
「だからだ、いいな」
「わかりました」
「それではです」
「グールは一太刀で倒します」
「倒せなかった時は放っておきます」
「その様にするのだ」
こう言ってだ、サームは兵達を率いてグール達がいる廃墟に赴いた。そうしてそこでグールの大群を前にした。
そうしてグールの成敗をはじめたが。
サームは自身はグールを一太刀で倒していった、彼の一撃を受けて倒れないグールはいなかった。だが兵達は違い。
一太刀で倒せない場合もあった、そこで彼等はサームの言葉を思い出し。
グールにさらなる攻撃を浴びせず傷付いたグールはその傷でやがて動けなくなった。そうしてグール達に対していると。
やがて全てのグールが倒れた、成敗が終わったのを見たサームは言った。
「私は今まで気付かなかった」
「グールが二太刀目では傷を癒す」
「そのことはですか」
「ご存知なかった」
「それでもですか」
「今は違いますか」
「ご存知になったので」
「いつも一太刀で倒していると」
それだけの力量があればというのだ。
「わからないこともあるな」
「あまりにもお強いと」
「どうしてもですね」
「そのことはわからない」
「そうなのすね」
「だが今は知ったしわかった、だからな」
それに故にというのだ。
「これからもグールと戦う時はこのことを念頭に置こう」
「そうしてですね」
「グールを退治していく」
「そうしていきますね」
「一太刀、それ以上は何があっても出さない」
このことを固く誓うのだった、そうしてだった。
サームは軍勢を率いてスルタンのところに戻った、それからも彼はグール達と戦う機会が多かったが彼は常に彼等を一太刀で倒し率いている者達には倒せずとも再び攻撃させることは許さなかった。グールのことを知った為に。
サームの知らないこと 完
2019・8・7
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ