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渦巻く滄海 紅き空 【下】
二十九 怒りの引き金
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「大蛇丸様。鬼童丸達はここで仕留めるべきでしょう」
「……そうね」

カブトに促され、大蛇丸は視線を森へと移行させた。
大蛇丸の指示で大蛇が鎌首をもたげ、森の中にズルズルと移動してゆく。

大蛇の巨体で、崩壊していた橋が更に崩落していった。



















ナル・シカマル・ヤマトの存在は今のところ、捨て置いて良いとでも考えたのか、それともただの気紛れか。

どちらにしても、裏切者は今処罰すべきと考えたのか、大蛇丸とカブトを乗せた大蛇が右近/左近と鬼童丸を追ってゆくのを、ヤマトは固唾を呑んで見送った。

「助かった…のか?」


そうは言っても、おそらく右近/左近と鬼童丸は命の危機に瀕している。
すぐに助けに行かねば殺されるだろうが、果たして本当に彼らは敵対しているのか、ヤマトには判断できなかった。

なんせ、右近/左近と鬼童丸は、元大蛇丸の部下。いくら『根』に所属しているとは言え、彼ら二人がまだ大蛇丸の配下である可能性は十分にある。

今しがたの戦闘も、もしかしたら木ノ葉の忍びである自分達の眼を欺く為の芝居かもしれない。
第一、右近とて鬼童丸に化けていて、本物の鬼童丸ではなかったのだ。

もし大蛇丸の仲間のままならば、助けに行けば、大蛇丸・カブトに加え、右近/左近・鬼童丸の相手もしなければならなくなる。

森で彼らが待ち受けている可能性を考え、ヤマトは印を結んだ。

「【木分身の術】!!」

すると、ヤマトの頭から肩から木の枝や根っこのようなものが生えてゆく。
やがてソレは人型となり、ヤマトと同じ姿に変じた。

「頼むぞ」

まずは分身体に様子を見てもらったほうが良い。慎重にそう判断したヤマトに応え、木分身は頷く。
崩壊した橋をものともせず、鬼童丸達や大蛇丸が立ち去った森中に向かう為、木遁の術を使って、分身体は向こう側へと渡った。

木でできた分身であるソレは、普通の分身と違い、ヤマトの細胞を元に作られている為、十分な攻撃力・防御力を持っているのだ。

分身体が無事に大蛇丸や鬼童丸達の様子を窺いに行ったのを見送ったヤマトは、シカマルとナルの許へ向かった。



「様子はどうだ?」
「どうも、頭を打ったみたいっスね…」

ナルの様子を診ていたシカマルが険しい顔で答える。
医療忍者ではない我が身が歯痒く感じ、シカマルは気絶したナルを心配そうに見つめると、やがて森へ視線を投げた。

「鬼童丸と左近達は大丈夫なんスか?」
「一先ず、様子を見よう」

木分身はオリジナルと常にリンクしているため、相互にリアルタイムで情報のやり取りが出来る。
木分身から鬼童丸や右近/左近が大蛇丸の味方でないことを確認
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