十八話
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どうするかな」
ネギは刹那に聞いた祭壇へと向かいながら作戦を練っていた。最大の関門はフェイトと名乗る少年だ。あれは、まだ今のネギでは荷が重い相手だ。倒せる確率は限りなく0に近く、殺す気でかかっても3割がいいところだろう。
「やはり、相手にしないのが一番か」
確かに、まともにやり合えば勝てないかもしれないが出し抜くことは可能だ。ネギはフェイトを無視する方向で再び作戦を練り始めたが、不意に下方から何かが接近しているのに気付く。意識を集中して探って見ると、それが何者かが放った気であることをすぐさま悟った。
黒き狗を象った気は杖に跨るネギに牙を剥く。しかし、ネギにこんな単純な攻撃が通用するわけもなく。
――風楯!
風属性の物理障壁の前に虚しく散った。だが、その狗の影に隠れる様にして接近していた者がいた。犬上小太郎。狗族の少年だ。
「待ってたでぇ!!」
虚空瞬動。空中で瞬動を行う高等技法を用いて勢いよく接近してくる小太郎を、ネギは無言のまま置き去りにした。
「な!? てめぇ!」
しかし、高速移動法である瞬動はネギの杖の飛行速度より早く、すぐに追いつかれてしまった。ネギは心底面倒そうにため息をつくと、小太郎へと視線をやった。
「それで、君は一体何の用だ?」
「この間のリベンジマッチや!」
その発言に、思わずネギは怒りを抱いた。時たまいるのだ。こういう奴が。そして、この手の人間はネギが酷く嫌っているタイプだ。
「一応聞いておくが、天ヶ崎を止めなければ被害は無視できない規模のものとなる。それでも、私の邪魔をするのか?」
「そんなこと言うても、逃がさへんで!」
此方の言葉を碌に聞かずに小太郎は襲いかかってくる。それを見て、ネギは小太郎に対する配慮の一切を止めた。ただ気絶させるだけでは済まさない。一瞬で戦いの歌を発動したネギは杖を蹴って小太郎と同じ宙へと躍り出る。顔に抑えきれないほどの闘争の笑みを浮かべた小太郎を冷たく睨みつける。
勝負は一瞬だった。繰り出される小太郎の渾身の右ストレート。だが、鷹の眼を持つネギの前では、それはテレフォンパンチになり下がる。攻撃の軌道を完全に見切り、それに合わせてカウンターを叩きこむ。水月にカウンターを喰らった小太郎は顔を苦痛に染め、そのダメージの大きさから狗族化を行おうとする。
だが、それは大きな隙となる。小太郎が狗族化を行おうとしている事を察するやいなや、ネギは防御を捨てて一気に攻勢に出る。まずは顎先に鞭のように鋭く拳を放つ。これにより小太郎は脳をゆすられ始まっていた狗族化か停止する。加えて碌に動けない小太郎の四肢を、ネギはへし折った。そして最後に小太郎の首を鷲掴み、地面へ向けて虚空瞬動。小太郎の顔面を勢いのままに叩きつけた。
「………………
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