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吸血鬼になったエミヤ
040話 学園祭編 衛宮家族との団欒
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ていた。
それにシホは少し動揺しながらも、

「ど、どうしましたか……?」
「シホさん、一ついいかな?」
「なんでしょうか……?」
「もしかしてだけど、この世界に来る前の記憶を思い出したのかい?」
「ッ!!」

シホはいつかは気づかれるだろうと思っていたがまさかこのタイミングで聞かれるとは思っていなかったので目に動揺が走る。

「いつ、から……?」
「僕の事を『じーさん』って間違えて呼んだ時かな?」
「そうです、か……タマモ、少し二人の事を見ていて? 大事な話をするから」
「わかりました……シホ様、ご無理だけはしないでくださいましね?」

タマモはそれで士郎達の方へと歩いて行った。
それから少しの間、シホと切嗣にアイリの三人の間でシホの過去の事が話し合われていた。
切嗣とアイリはシホの思い出話を聞くたびに苦そうな表情に何度もなる。
なにより、シホが元の世界では切嗣とはまったくの他人で憔悴した切嗣が養子として引き取ったという話になった時にはアイリですら言葉を詰まらせていた。

「私は……後に切嗣が参加した聖杯戦争で何もかも失ったのを知って言葉がありませんでした」
「そっちの僕は、それからどうなったんだい……?」
「私を引き取って五年後に…………」

これ以上はシホは語らなかった。
それでも察してしまったのだろう、さらに苦い表情になりながら「そうか……」と言葉を落とした。

「…………―――私は、この世界がとても今は尊くて好きです。私自身はこの世界に来て辛い思いもしてきましたが、それでも切嗣が幸せに生きていてくれている……イリヤも短命ではなく普通に成長して暮らしていけている……なにより、どんな数奇なめぐり合わせなのかまったく関係のない私がアイリさんから生まれてきてしかも『士郎』と名付けられている……運命を感じずにはいられません。私には、とても眩しいです……」

そう、遠くの日が落ちて紅くなってきていた空を見ながら語るシホの横顔にアイリは思わずシホの事を涙を流しながら抱きしめていた……。

「そんな悲しい事を言わないで……。どんな事があっても、たとえ血が繋がっていなくても、世界が違っていても私達は絆で結ばれた家族なのよ……?」
「ありがとうございます……」

アイリの手を優しく握りながらシホも一筋の涙を流した。

「シホさん……いや、シホ。もしよかったらこの学校を卒業したら家に来ないかい? いつでも歓迎するよ」
「ありがとうございます。でも、私は不死です……。一か所にはいつまでもいられません」
「しかし……ッ!」
「でも、気持ちだけはしっかりと受け取っておきます。大丈夫です。いつでも会いに行けますから……」

そう言ってニコッと笑うシホは、それでも儚いと切嗣とアイリは感じずにはいら
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