14,ロール・プレイ
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。尻尾のハンデのぶん、俺が有利だ」
一歩、恐怖で手汗がひどい。ナイフがつかみにくい。
一歩、右か左か正面か。それとも上ということもあるな。
一歩、腰をしっかりと落とす。中からは獣の匂いが漂ってくる。
一歩、どれだけ焦らせ――
「ガルルルォォ」
突風が吹き荒きあれる。虚空から大きな塊が飛び出してくるのを感じた。
咄嗟に右へ横っ飛び――でかい何かが暗闇から徐々に明かりへと出てきた瞬間、俺の頭に電撃が奔った。
プレートのアーマー、漆黒の槍、ラウンドのシールド。
出てきたのは……豹じゃない。あれは……さっき取り込まれたプレイヤーだ。
咄嗟に地面に足つけようとするがもう遅い。同時に飛んだ右側から大きな牙がせり出してくる。。
「っクソ」
足は数センチの上空を彷徨い続ける。見事なタイミングだ。ソードスキルも間に合わない。
まさか、囮になろうとして囮に引っかかるなんてな。
騙し合いは俺の完敗だ。
だけど、豹王――肝心な事を忘れてるぜ。
俺の土俵は最初っからそこじゃない。
ナイフを下に投げつける。サクリ、と音を立てて短剣は柄まで地面に埋まり、たった数センチの土台をつくる。
ガチンと、右足が柄を捉えた。
片足だけの、不十分な足場。
ハンデはこれでチャラ。これなら俺とお前は同じ土俵だ。
そして―― 「――疾いのは――俺だ」
右足だけで、剣柄を蹴る。無理矢理跳ねさせた体の真下を赤と黒で彩られた死が通過していく。
背中合わせに跳躍する一人と一匹。だけど、もう決着はこれで終いだ。
なぜなら一匹の目の前には
「「はぁぁぁぁ」」
ココぞとばかりに最大威力のソードスキルを構える、ウチのパーティメンバー達がいるんだから。
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