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SAO−−鼠と鴉と撫子と
14,ロール・プレイ
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した。
――50センチ。再跳躍へと脚に再び力がこもっていく。
――20センチ。速度のあまり世界が揺らぐ。
――幻想が見えた。かつて斬り損ねた緑のツタが目の前にある。

今度こそ、今度こそ捉える!!
「いっけえぇぇぇぇ」

ザシュッと言う確かな感覚が振り切った右腕から伝わってくる。
視線の先には巨大な尻尾が空中を舞っていた。
悶え苦しむ豹王へ左手で「閃打」を叩き込む。不安定な体勢になった所に、左から風圧が迫るのを感じた。

「ッ!!ッチ」

慌ててバックステップをして躱すと、目の前を巨大な爪が通り過ぎる。
僅かにかすったか。もともと防御の低い俺は一気に15%ほど命を散らした。

「軽業」スキルでバク宙を決め、大人しく後退する。
「っけ。A隊、3ローテ目行くで!!」
それに呼応して、右からA隊であるキバオウ達が飛び出してくる。
キリトたちも既に離脱していたようで、戦線は彼らにまかせ、すぐさま走り寄っていった。

「コングラッチュレーション、見事な部位破壊だ。しっかり回復してくれ」
「そっちもナイスファイト。タンクのPOTは大丈夫か?」
問題ない、とエギルはおもいっきり胸を張る。
確かにタンクの三人はグリーンまで体力を回復させ、キリトとヤヨイはほぼ全回復にまで至っている。

「ガルゥゥ」
A隊の猛攻に押され、豹王はズルズルと後退していく。ボスかどうかを疑うほど大幅にHPを減らし、反撃すらままならない。
そこに俺たちを完全に翻弄したスピードはなかった。

情報通り、あの尻尾こそが最大の弱点だったということだ。

チーターに代表するように、ネコ科の動物は尻尾を使ってバランスを取る。
家猫でも尻尾が切られることは絶対にあってはならない、と言われているのはこのためだ。
空中での姿勢制御から切り返し、ダッシュ、跳躍に至るまで長く伸びた尻尾はさながら第五の足のように体幹を保たせる。
もはや、豹王は足を切り落とされたといってもいいだろう。

ラスト一本のゲージが赤く染まった瞬間、豹王は痛みに耐えかね、後ろを向いて一目散に走り出した。

豹王を囲むようにして点在する他の隊が次々と退路を塞ぎ、ソードスキルを放つが、高くジャンプして躱される。
そのまま、吸い込まれるように闇の中へと消えていった。

「全員、穴から離れろ!!引きずりこまれるぞ!」
瞬間的に、キリトが叫ぶ。
それを肯定するかのようにグルルという雄叫びが続く。


意図を察した全員が穴のない中央付近へと殺到する中で、短い悲鳴が上がった。

「ぁぁぁぁああああああ」
豹王のロストポイントから遠く、気の緩んでいた片手剣士がズルズルを穴の方へと引き摺られていく。
近くにいた仲間達が反転して助けようとしたが、助けを求めて差し出し
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