第十四章
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「私自身気付かないうちに」
「そうしてですか」
「今彼と戦っても」
「敗れる」
「このカードが何よりの証です」
塔のそれがというのだ。
「ですから」
「ここは、ですか」
「一旦退くべきです」
「そうね」
沙耶香も速水に応えて言ってきた。
「私もそう思うわ」
「それではですね」
「ここは退きましょう。そして英気を養ってね」
「準備も整えて」
「そのうえであらためてね」
「訪問しましょう」
「それでは」
二人で話してだ。そうしてだった。
速水と沙耶香は司祭と共に一旦退いた。二人は聖堂から少し離れた場所にある街に入ったが沙耶香はすぐにだった。
ある場所に足を向けた、速水はその沙耶香に笑って尋ねた。
「今日もですか」
「ええ、今日もよ」
沙耶香は妖しい笑みだった、その笑みで言うのだった。
「行ってくるわ」
「クロアチアでもですね」
「どの国でも私は私よ」
「左様ですね、では」
「ええ、また明日ね」
こう言って沙耶香は夜の街に消えていった、だが司祭はその沙耶香を見送ってから共に彼女を見送った速水に対して答えた。
「あの、あの方は」
「はい、ご趣味がですね」
「もうカトリックでは個人的なそうしたことに口出ししませんし」
「あの人はそもそもカトリックではないですしね」
「そうです、ですが」
それでもとだ、速水にどうかという顔で言うのだった。
「あの方は女性がお好きですね」
「実は男性もですが」
「私の知る限り女性ばかりですが」
「どうもいつも女性の方とばかりお会いするらしくて」
沙耶香は性別にこだわらない、しかし好みの相手と出会うとその相手がかなりの確率で女性美女美少女であるというのが沙耶香の言葉だ。
「ですから」
「それで、ですか」
「そうです、女性と楽しまれるのです」
「別に女生徒は限らないのですね」
「そうなのです」
こう司祭に話した。
「あの方は。ですが私は」
「あの人をですね」
「そうしたところもなのです」
速水は微笑み司祭に自分のことも話した。
「昔から」
「長いお付き合いとのことですが」
「左様です」
「その中で、ですか」
「よくお会いしてこうして共にお仕事をすることもです」
「度々ですね」
「そうです、ですが」
紗耶香、彼女はというのだ。
「私としてはああしたところもまた、です」
「そうなのですね」
「はい、では私達は」
沙耶香のことはこれ以上話しても後は愚痴めいたものになりかねないと見てだ、速水は司祭にあらためて話した。
「明日終わらせたいので」
「今日は、ですね」
「これで休みましょう。夕食を食べて戦いの垢を落とし」
そうしてというのだ。
「寝ましょう」
「それでは」
司祭も微笑んで
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