アイングラッド編
紅き剣閃編
Make a vow and fidelity―誓いと忠誠
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明日奈さん、貴女のことが大好きでした。どうか……幸せになって下さい。
我ながら、なんと言いますか……恥ずかしいセリフだ。
ゴンゴン、と机に頭をぶつけて恥ずかしさを紛らわしていると、カチャッとドアが開いた。
ここは本部にある俺の私室。
そこに断りもなく入ってくる人物には2人しか心当たりがない。
だが、うち1人はギルド内部にすら入れない筈なので、必然的に誰かは分かる。
「……ノックぐらいしてくださいよ、先輩」
「以後気を付けまーす!」
「そのセリフ……この間も聞きましたよ」
「そりゃこの間も言ったからね」
「……つまり、守る気がないと」
「あんまし……」
「はぁ……」
机に突っ伏す。多少気が紛れたとはいえ、憂鬱なのは変わらない。
嫌なことに、この先輩は人の感情を読むことに長けている。
今回も例外ではなく、後ろから手をまわすと耳元でささやいてきた。
「……カイト」
「……はい」
いつになく艶っぽい声。固まっていた心が僅かにトクン、と動いた。
「大好き」
「……俺、今失恋したばっかなんですけど……」
「じゃ、心置きなくわたしに乗りかえなさい」
「……強引です」
「女は少し強引な方がいい女なのよ」
「……とっても強引です」
「あー、ひどーい」
クスクスと耳元で笑うのでくすぐったくってしょうがない。つられて笑ってしまう。
まったく……こういうことは得意なんだから……。それにしても、
「……ご飯でも行きましょうか、奢りますよ」
「えー、財布ももう共通にするから関係なーい」
「それは流石に急展開過ぎでしょ!?」
この人には一生敵いそうにない……。
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Side アード
こんにちはみなさん。初の僕Sideです。
え?なんでこんなメタな発言をしているのかだって?
怖いんです、ユウリが……。
「アーくん、おかわりどう?」
「……もう大丈夫。ご馳走様」
ギルドの食道、とは言っても作るのは自分達なので、使うのは料理スキルを選択した少数のプレイヤーだけ。
百人は入れそうな巨大食道には今は2人きり。
以前から約束していた、ユウリの手料理を食べさせてもらった。
とても美味しかった。
「……アーくん」
「な、何?」
「わたしね、これから毎日、アーくんのためにご飯を作りたい」
「え……?」
……告
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