アイングラッド編
紅き剣閃編
Make a vow and fidelity―誓いと忠誠
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に嘘はつかなかった。悩んで、苦しんで、泣き叫んで出した結論だ」
……ああ。俺はさんざん嘘をついてきた。本当は気づいていたんだ。アスナが俺の事をどう想っているか。
レイもアスナの気持ちを知って俺達を精一杯応援していたんだ。気づかないフリをしていただけなんだ。人を恐れるあまり、自分に嘘をつき、アスナの想いを踏みにじり、レイの行為を無為にしていた。
レイはそれを許し、彼女に報いろ、と言ったのだ。
「アスナ……」
「……ごめんね……わたしの……わたしのせいだね……」
悲痛な表情で、震える声を絞り出した。大きな目から涙があふれ、次々と滴り落ちた。
全身に不快な痺れが残っているが、かまうものか。あの暗い迷宮の中で見た孤独な流星は、よく笑うようになったんだ。
「ごめんね……。わたし……も……キリト君には……あ……会わな……」
だから、お願いだ。そんな顔をしないでくれ。
力の入らない両腕でアスナをそっと抱き寄せる。そのまま、彼女の桜色の美しい唇を自分の唇で塞いだ。顔を離すと首筋に顔を埋め、呟く。
「俺の命は君のものだ、アスナ。だから君のために使う。最後の瞬間まで一緒にいる」
そう言っていっそう強く抱きしめると、アスナも震える吐息を漏らし、ささやきを返した。
「……わたしも。わたしも、絶対に君を守る。これから永遠に守り続けるから。だから……」
その先は言葉にならなかったが、俺は固く抱き合ったまま、いつまでもアスナの嗚咽を聞き続けていた。
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Side レイ
濃密なラブシーンを垣間見てしまった俺は永遠とも感じる間、2人から僅かに目を逸らしていた。
反対向きにならなかったのは、露骨過ぎて逆に雰囲気を壊しそうだったから、なんだが……いまいちそれが合ってたかは判らない。
「…………」
まだ、ギュッとしている2人は取り合えず置いといて帰ろうか。
いや、それもなんか不自然?ていうかここ安地ですらないんだが……。故に危ない、だがこうしていつまでも立っているのもアレだ。
やむ無し、と割りきるか?
いやいや、こういう時はアレだ。話を繋げて何か話すんだ。無理矢理に。………いや、ムリ!!
などと、思考が暴走して脳内がカオス極まりない状況になりつつあったところ、遅まきながら2人が俺の存在を思い出してパッと離れた。手は重なってるけど。
「……よかったな、2人とも。幸せになれよ」
「……うん。レイ君も今までありがとう」
「どういたしまして」
「……その、レイ。俺もお前には色々
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