アイングラッド編
紅き剣閃編
Make a vow and fidelity―誓いと忠誠
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たレイがカイトの肩をポンポンと叩いてから、俺を解毒結晶で助けてくれる。
「さて、助かったついでに……アレ止めて」
レイが指差した先には今にもクラディールに斬りかからんとするアスナがいた。
「アスナ!!……抑えろ」
「…………」
アスナは振り向いて俺の方に駆け寄ってくる。
「生きてる……生きてるよねキリト君……」
俺の傍らにひざまずいたアスナが美しい声を響かせる。
その肩にそっと手を置いたレイがアスナにこれまで聞いた中で最上級に優しく、慈しみのこもった声で言う。
「大丈夫だ。ちゃんと生きてただろ?」
「……うん」
「……済まなかった」
今度は俺達2人に話しかける。表情には懺悔の色合いがあった。
「………?」
「後で話すよ」
そうして、レイはすっと立ち上がってクラディールと対峙した。
「………何も心配しなくていい。誰にも2人を傷つけさせはしない。だから―――」
――俺を見るな
不思議とその言葉には逆らえないような気がして、俺はただアスナの綺麗な顔を、アスナは俺をじっと見ていた。
……
………
…………
どれぐらいたったろうか?
ふと、顔をずらすと2つの人影があった。
いや、1つは既にその形を崩していた。
四肢を死なない程度に切断され、動くことも出来ずに襟を掴まれ、宙にただ、吊るされていた。
その顔は恐怖ね表情で固まっている。
もう1人のHPは無傷。
クラディールに向かって何かを質問し、クラディールがそれにつっかえながら答える度に満足そうに笑顔で頷く。
答えに詰まれば、表情が消え、大太刀をピクリと動かす。
やがて全ての質問が終わったのか、不意に回廊結晶を取りだし、開くとその中に持っていた物を無造作に放り込んだ。
「………見るなっつたろ」
「ごめん……」
それ以上何も言えずにいるとレイは「はぁ……」とため息をつき、パンっと手を打ち鳴らした。
「撤収だ。カイト、帰るぞ」
「……少し、待ってくれ」
「……お好きにどーぞ」
カイトは俺の近くにひざまずくアスナの横に来ると何かを耳打ちした。
アスナがそれの言葉に対して、ハッと顔を上げたときにはもう彼はそこにはいなく、街の方に走り去って行くところだった。
俺は、何となく彼が言ったことを悟った。そして、それに激しく嫉妬した。
「キリト」
レイが再び優しく声を発した。
「自分に嘘はつくなよ。必ず、後悔する。あいつは自分の気持ち
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