暁 〜小説投稿サイト〜
ストライクウィッチーズ 流星の白虎と暴れ馬のウサギ
運命が動き出す時……。中編
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、やらないと動作不良を起こし、人間らしかぬ、ぎこちない動きになるだけではなく、異音を発生させ、否が応でも、俺の体に何かある事を周囲に悟られるきっかけになりかねない。
もし俺の体が兵器になっている事を知られたら……あぁ、考えるだけでも、頭が痛くなってくる……。
そうならない為にも、この義手のメンテナンスは絶対不可欠なのだ。

そんな面倒があふれる義手の整備だが、黙ってコツコツとやっている内に、何とか全部の整備を終える。
「……よし」
整備に伴い、義手本体に付いた、余分なオイルや鉄粉をウエスで拭き終えた俺は、そう呟きながら、左手につけた作業用義手を外すと、これまた先程と逆手順で、節電義手を左腕に取りつけていく。
なぉ、節電義手を付け、外しする際の激痛は相変わらず……全くツラいわー(棒)
「あー……」
そんな激痛を噛みしめつつ、俺は左肩に付けた、節電義手を動かしていく。
人工皮膚カバーを付けていない、金属を剥き出しにした節電義手が、俺の意思で、普通の人間の手や腕と同じ様にガチャガチャと同じ様に動くのを見て、とりあえずホッとする。
「……ふぅ」
そう短く息を吐き、一仕事終えた事に安堵しながら、とりあえず机に置いてあったコーヒーの飲み干すと、俺は先程から、乾かしていた人工皮膚カバーと接着剤を手に取り、最後の仕上げ作業にかかる。
まず最初に肩部分の人工皮膚カバーを手に取り、裏返すと、接着剤を塗り、まるで、破れた壁紙かカバーを修理するかのように、義手に装着し、脇にはみ出た接着剤を拭っていく。
これと同様に上腕部と、前腕部の人工皮膚カバーにも、接着剤を塗り、義手に張り付ける作業をし、残すは手の部分だけとなった。
「……よし」
はみ出た接着剤を拭ったウエスを机の上に置きつつ、まるでゴム手袋を思わせる、手の部分用の人工皮膚カバーを手に取り、手に付けようとした時だった。

『ウィーラーさん、居ますかー?』
「っ!?」

と、余りにも突然、最悪のタイミングで、ドアのノック音と共に宮藤の声がドア越しに掛けられる。
クソッ!一番、目立つ手の部分の人工皮膚カバーを付けてない状況で訪問されるとか、マジで最悪のタイミングだ!!
「おっ、おう!ちょっと待ってくれ!!」
『あ、ハイ』
焦りと憤りが混じった感情が胸の中で沸いてくる中、俺は、宮藤の呼びかけに応答しつつ、荒々しくトランクの中に作業用義手やら、整備道具を放り込んでいく。
んで、全ての道具をトランクの中に詰め込み終えるなり、荒々しくベッドの下に放り込む。
その際、凄まじい音が鳴り響くが気にしてはいけない……この世には触れてはいけない絶対的な領域ってのがあるからな。うん!
胸の内でそう思いながら、ベッドの下に放り込んだトランクが、奥に隠れた事を確認した俺は、すぐさま机の引き出しを開け、
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