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ストライクウィッチーズ 流星の白虎と暴れ馬のウサギ
運命が動き出す時……。中編
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煙は風の向きなどによって、多少の違いは出る物の最大で”約200メートルも流れていく”事もある。つまり、200メートル先の敵に「自分たちは、此処に居るので、殺しに来てください」と言ってるも同然なのだ。
だからこそ、コマンドにおいては、先に述べた、タバコの煙は勿論、レーションを温めて食べるなんて行為は、まさに夢のまた夢みたいな物であり、無論、紅茶やコーヒーと言った暖かい飲み物なんて蜃気楼と同じ様な存在ですらあった。
唯一の例外は、撃墜されたウィッチの捜索救難任務において、救助したウィッチの飯ぐらいだろう……。バカに良い表情で食っていたな……。ま、飲まず食わずで、敵陣を逃げ惑っていた彼女達からすれば、やっとこさありつけた食い物だから、そりゃ嬉しい物だろう。
そんな食事中の彼女達の傍で、俺達、コマンド隊員達は鬼の形相で、目を血ばらせつつ、地の果てを見つめ、銃のトリガーに指を掛け、「目の前で動いた物は全て容赦なく撃て!」と言わんばかりに、神経をすり減らしつつ、彼女達の優雅な食事時間を見守っていた訳だが……。
今となっては、懐かしいコマンド時代の思い出を思い返しつつ、それと同時に、ココが周囲を気にせず温かい物が飲める後方拠点である事を、ふと再確認する。
「ウィーラーさんも、一緒にどうですか?紅茶は、熱いのが、美味しいですよ?」
そう胸の内で思っている中、宮藤が、俺に対し、どうするかを聞いてくる。
正直な所……
ココ
(
501
)
の連中とは、”良い初対面”をしていないし、今後も、此処にいる以上は、多少なりとも関係を持つ事になる訳だから、必要最低限の付き合いぐらいしておくべきだろう……。
そう判断した俺は、宮藤に対して、こう短く言葉を返す。
「……あぁ、貰おうか」
「じゃあ、ウィーラーさんの分も用意してきますね♪」
そう言って、宮藤は笑顔を浮かべつつ、紅茶の用意をする為に走り出すが、途中で、何かを思い出した様に「あ!」と呟きつつ、俺の方を振り返ると、こう言い放つ。
「そういえば、ウィーラーさんのカップがまだ無い……って、リーネちゃんが……」
「じゃあ、自分の持ってくるさ」
この俺の発言に対し、宮藤は「えっ?」と言わんばかりの表情で、こう言い放つ。
「持っているんですか?」
「コマンド時代の支給品だがな……」
「じゃあ、スイマセンけど、それ私に渡してください。洗ってきますので!」
「そうか、悪いな」
と、俺が軽く礼を言うと、宮藤は「気にしないでください!」と満面の笑みを浮かべながら、答える。
コイツ、軍人としてはあれだが、人としては、よー出来ている奴だな……。
宮藤の笑みを見て、そう思いながら、俺は自室に置いてある私物入れの木箱を開けると、中に入っていたコマンド時代に支給された、鉄製のミリタリーマグを取り出し、宮藤に渡す。
それを受け取
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