第十章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ですから」
「私もですね」
「ご注意を。司祭は私がお護りしますが」
それでもというのだ。
「気構えはお願いします」
「油断しなければですね」
「それだけで全く違いますので」
例え戦えずかつ己の身を護ることが出来ずともというのだ。
「ご注意を」
「わかりました」
司祭は速水に確かな顔で答えた。
「そうさせてもらいます」
「それでは」
「はい、これからですね」
「何かをしてきますので」
それ故にというのだ。
「私もカードを出します」
「カードをですか」
「はい」
既に塔のカードは手中に収めている、そのうえでの言葉だ。
「このカードを」
「では」
「私の傍を離れずに」
「そうしてすね」
「気構えはお願いします」
「わかりました」
確かな声でだ、司祭も応えた。そうしてだった。
速水は自分の傍にいる司祭にも気を配りつつそのうえで塔のカードを上に投げた、するとカードから空に向けて。
雷が放たれその雷が無数の落雷となって速水と司祭の周りに落ちた、速水はその無数の落雷、音を立てているそれの中で言った。
「例え姿を消しても」
「こうした攻撃にはですか」
「意味がありません、見て攻める攻撃ならともかく」
「広い範囲の無差別の攻撃には」
「何尾の意味もありません」
例え姿を消してもというのだ。
「姿を消すのは目くらましです」
「攻められるから姿を消してですね」
「狙いを定めないもの、ですが」
「こうした広い範囲への無差別の攻撃には」
「例え姿を消そうともです」
最初から狙いを定めていない、それでだというのだ。
「意味がありません、攻撃に当たれば」
「それで終わりですね」
「それこそ実体を消さねば」
姿でなくだ。
「意味がありません」
「そういうことですね」
「ですからこの攻撃に切り替えました」
そうしたというのだ。
「咄嗟にですが」
「塔のカードの攻撃の中で」
「こちらにしました、さてどうなるか」
既に力のカードから出した獅子はカードに戻っている、速水はこのことを確認してからまた述べた。
「獅子の牙を逃れたところ実体を消したか」
「若しくは」
「瞬時に遠くに逃れたか」
「その可能性もありますね」
「そうです、ですが」
それでもというのだ。
「これだけの落雷の嵐なら盾にもなります」
「我々を護る盾ですか」
「はい、遠間から攻撃を仕掛けようにも」
「これは利きますね」
「そう簡単には」
まさにと言うのだった、神父はまだ何もしてこない。ここで速水は落雷達を落とさせながら言うのだった。
「逃げたとは思えませんが」
「そうした相手でないとですか」
「思いますが」
「ではここは」
「隙を見ているのでしょう」
これが速水の
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ