第四章
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「まあそんなところだろうな」
「絶対にお魚食べに来ないですね」
「そうだろうな」
周五郎は先輩と笑ってこんな話をしていた、だが。
ある夜学校の後でアルバイトをしているとだった。
店に来た二人連れ、カップルと思わしき二人の席に来て店のシステムの説明をしようとするとだった。
女の子の方を見てだ、周五郎は我が目を疑った。それで思わず八条学園高等部の制服の一つである赤のブレザーとグレーのスカート、青のアスコットタイに白のブラウスのその少女に対して問い返した。
「高橋だよな」
「お客さんよ」
安奈は周五郎に非常にバツの悪そうな顔で応えた。
「今はね」
「おっと、そうだった」
「そう、じゃあお店のシステムお話して」
「わかりました」
店員に戻ってだ、周五郎も応えた。そうしてシステムの説明をして。
その後で食べ終わった後の皿の計算等もしてだった、会計もした。そして。
次の日学校で安奈自身に対して登校してすぐに尋ねた。
「おい、昨日のな」
「何か悪いの?」
安奈は周五郎に開き直った顔で応えた。
「一体」
「お前肉のサラブレットだよな」
「お肉関係のエリート中のエリートよ」
「そう言ってるよな」
「いつもね」
「ああ、そうだよな」
「今もそう言うわよ」
「じゃあ昨日は何だよ」
その開き直る安奈にさらに問うた。
「一体」
「お兄ちゃんが久し振りにお家に帰ってきてね」
「牧場で働いているんだよな」
「住み込みでね、それがね」
「久し振りに帰ってきてか」
「外に食べに連れて行くって言ってくれて」
それでというのだ。
「お寿司屋さんに行ったのよ」
「そうだったのかよ」
「それであのお店に入ったらね」
「俺がいたんだな」
「都合が悪くね」
「都合が悪いとかいう話じゃないだろ」
「私にとっては悪いわよ」
安奈は憮然とした顔で悪びれずに言った。
「本当にね」
「そうか」
「そうよ、全く以てね」
「すげえ居直りだな、けれど言うぞ」
「何で私がっていうのね」
「お寿司のネタはな」
これの話をするのだった。
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