初戦のハプニング
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ライムさんである。なお、彼は相当実力が上がった後、大丈夫だと油断して徒手空拳のスキル上げで攻撃した所、無駄に大量のダメージを受けたとか。そりゃそうだ、触れたら駄目な相手に素手で挑んだらそうなるわ……。
話を戻すと、今私の目の前にいるのはグリーンで、俗に言う毒持ちである。
「スライムさんは軟体生物の一種で物理防御力がかなり高いから、私の刀やケイオスのレンチメイスでの攻撃はあまりダメージ効率が良くない。遠くから弱点属性のエナジー魔法なり太陽銃なりを使えば割と楽に倒せるけど……」
あまり多様するとエナジーの消耗や体力の疲弊が大きくなる以上、何か使えるものはないかと思って周囲を見渡してみる。この交差点には乗り捨てられた車やトラックは少なく、ちらほらあるってぐらいだった。とはいえ一台でもトラックがあるなら、目的のものはすぐに見つかるはず……。
「あ、あった! これならちょうどいいサイズだし、ブロック代わりにできそう」
「ん? なぜ木箱? 何か材料でも集めたいなら木箱じゃなくて隣のコンテナを回収した方が……」
「いやいや、今は資源がいるわけじゃないよ。むしろ中より外の方が欲しいし」
木箱の中にあった物はひとまずトラックの荷台にそのまま出しておき、空になって軽くなった木箱を背中から体重をかけて荷台の外へ押し出す。ドスンと音を立てて地面に落ちた木箱だが、壊れた個所は無いようで、問題なく使えそうだった。
ここまで来れば大体察せると思うけど……背中で木箱を押してスライムさんを壁に押し出し……、
ぶちょん!
「ん、綺麗に潰れたな」
「スライムさんはこうやって対処したら襲われる危険はほぼ無い。こういうのが適切な対処って奴だよ」
「高レベルならたまに生き残るのがいるが……その時点でLIFEは半分以下になってるし、地面が炭化するほど必殺技や秘奥義を連発するまでもなく倒せるから楽でいい」
「この状況なら慎重過ぎる方がむしろマトモなんだろうね。とにかくこの方法なら一般人だろうと倒せるかも。あ、いっそモンスター対処マニュアルでも作ってみようかな? 内容もモンスターに限らずアンデッドも含めておけば、他の人も対策しやすくなるし」
しかし昨日までいなかったスライムさんが今日になって急に現れたのは、ギジタイによる暗黒物質の雨が原因だろう。手を出さなければ襲ってこない個体がほとんどとはいえ、スライムさんは隙間があればどこにでも入り込める以上、今のミッドはそこら中の道がこのように塞がれているに違いない。安全の確保もそうだが、普通に移動の邪魔になる点でも最低限こいつらを片付けておかないと、この地区は使い物にならない。
「ところでさっきから疑問なのだが、なぜスライムに“さん”付け?」
「……。ちょっと豪華な一軒家
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