続・恋人同士が密室で行う事
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(グランバニア城:宰相執務室付属の応接室)
今日も今日とて密室でウルフ宰相と恋人のマリーが、出来上がった(思い出した)新曲の歌詞の校閲をしている。
先日口遊んだ『げんきんっていいな』が頗る不評で、父親から同リズムで指摘を受ける歌を歌われ不機嫌なマリーは、自身の気分が晴れるという理由だけで、また近しい人を貶める歌を考えていた。
本人からすると別に貶める目的がある訳では無く、自分のストレス発散が目的で歌ってる訳で、尚のこと質が悪いと言わざるを得ない。
そして今日も暇を持て余した歌姫は、不謹慎で失礼極まりない歌を口遊むのだった。
♪好きだと言わしてピエッサちゃん?
♪愛してるんだよレクルト君?
♪イカした昨晩思い出し?
♪今日も華麗に欲情するよ?
♪方や 軍の 重鎮 総参謀長?
♪方や ピアノ 弾くだけ 脇役?
♪格差 格差 格差 格差は彼等を?
♪男女 男女 男女の関係にするのさぁ?
♪格差 格差 格差 格差がデカいと?
♪濡れる 濡れる 濡れる 女は濡れるよぉ?
♪さあさ 今夜もベッドでパコろう?
♪女は権力(ちから)を 待っている おー??
(ポカッ!)
「『おー?』じゃねー馬鹿女!」
「あ痛! な、何よ……ぶつこと無いじゃ無い」
「お前……絶対アイツらにその歌を聴かせるなよ!」
「え〜……そりゃ聴かせる気は無かったけどさぁ……結構良い出来じゃない?」
「全然良くねーよ! 俺の友人を侮辱するな!」
「はぁ? 全然レクルトは侮辱して無いじゃん! 寧ろ『重鎮』って褒めてる」
「全然褒めてねーし、ピエッサさんだって友人だ!」
「ピエちゃんがウルフの友人か如何かは置いといて、この歌は事実しか言ってないじゃん。怒られる筋合いは無いわ」
「はぁ〜……」
「???」
自分も周囲も見えていないイタい意識高すぎ女の思考回路とは言い争っても平行線。
そんな事を新たに学んだウルフ宰相であった。
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