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蒼と紅の雷霆
蒼紅:第三十七話 悪夢
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「私は忘れません…何もしていないのに親から捨てられ、能力者であるだけで道を歩けば石を投げられ、心ない暴言を言われて…挙げ句の果てには優しさを装って毒入りの食べ物を…!GV…あなたにも分かるでしょう?身寄りのない子供が何の支援もなく生きることがどれだけ辛く苦しいことか…!私と同じ境遇だったみんなが餓死していく姿を見なければならなかった私の怒りと苦しみ…悲しみが…!それに無能力者とて何時までも非力なままではないでしょう…いずれアキュラのような危険人物も生まれてくるはず、危険な芽は今のうちに消し去らなければなりません」

「テーラ…」

パンテーラの言葉にGVは辛くなった。

あの隠れ家とオウカの屋敷で共に過ごしていた時はとても身近な存在だった彼女が今では恐ろしく遠く感じてしまう。

「ソウ…私はもう覚悟を決めました。最大の障害となるあなた方を倒して能力者の楽園を築き上げます」

突如、鏡が現れて反転するとパンテーラの姿が変化する。

パンテーラが成人女性の姿となり、変身現象を発動した姿でこちらを鋭い眼差しで見据える。

「それじゃあ、最後の時間を楽しみましょうか?ソウ…GV」

夢幻鏡を利用した空間移動で2人の真上を取ると、通常時とは比較にならない程の威力の反射弾を連射してきた。

「止めるんだ!こんな戦いに意味は…」

「意味?意味ならあるわよ?」

女性体から男性体に変わると頭上に無数の鏡を展開し、鋭利な鏡を落とし始める。

「これは我々エデンの理想を叶えるため…そして君達は君達の愛しい少女達を取り戻すの戦い。故に逃れることは出来ないのだよ。差別思想に染まった現在の旧人類がいる限り、私達能力者に平穏はないのだからね」

「そんな…そんなことは…」

「GV、君はあの時のアシモフの凶行を許せるのかな?」

今度は女性体となり、縦横無尽に飛び回って反射弾を放ってきた。

「あの時、ソウが助かったのはシアンの歌があり、彼女が第七波動の制御がある程度出来ていたから…もしあの場にシアンが、能力の行使が出来なかったらソウは死んでいたわ。今でもあなたはアシモフを恨んでいないと断言出来るのかしら?」

「…それは……」

「あなたは恨んでいいのに私達は恨んではいけないなんて…少し身勝手よGV」

パンテーラの問いにGVの動きが鈍ったところで尾でGVを勢い良く床に叩き伏せる。

「さあ、見切れるかな?私の愛の幻影を!!」

複数の鏡が展開され、複数の実体を持った男性体のパンテーラがソウに襲い掛かる。

「…今更そんな姿で俺達に挑むとは…ふざけているのか?」

「フフフ、この姿で君やGVと戦ったことはなかったからね…」

「…まずはこの姿であなた達の力を測らせてもらうわ」

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