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Duel:21 酷似してるからこそ言えるんです
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を吐きましたし……所で響さん達見てません? 私よりも先に出てた筈なので……何か聞いてます?」
考えるように震離さんの視線が右から左へ流れて、首をカクンと傾げて。
「いや? 見てないし来てないね」
……ふむ。ならば一応見に行っておきましょうかね。
「ちょっと屋上行ってきます」
「ん。いってらっさい」
なんとなく心がざわついて仕方ないのは、なんででしょうね?
何も無ければ良いんですが……良いんですが!
――side響――
――聞かれてないから言わないだけ。それでも必要なら……しっかり嘘吐くよ。
昔そんな事言ってたなぁと。
報告連絡相談が出来ないというか、独自の判断で控えるところがあった。
結果的に助けられた事もあれば、その情報あったらもっと楽に出来たけど出どころは? っていう部分もあった。
その上で、どうしても言わないと行けない時。真実を告げるのではあまりにも酷だと判断したときのみ。あの子は嘘をつく。
悲しみを顔に出すことはない、涙を堪える事もしない。
ただ、優しく丁寧に告げるんだ。
あの時顔は見えなかった。だけど、きっと笑って言ってたんだろう。
ゆりかごの時、何よりも流がヴィヴィオに帰ってくるという約束をしていたから、可能性はあると考えていた。だから震離もそれを遵守するだろうと。
極めて近く、限りなく遠い。だけど、同じく成った震離の言葉で……嫌でも分かってしまった。
「二人が、本当に遠くへ行ってしまったんだなって。それが……俺は辛いんだ」
そんな馬鹿なと。フェイトさんが驚愕している。まだ可能性はあるだろう。もしかすると、まだ何かあるかも知れないと。
だが、あの震離達はおそらくゆりかごを破壊するのに必要なものを知っている。それにはどうしても犠牲が発生すると。
そして、それは……。
あぁ。
「……辛い」
あの日あの時、どんな気持ちで最後の通信を飛ばしてきたんだろう?
どれほどの想いがあったんだろう?
通信の声を思い出す限り、恐怖はなかったと思う。
だけど、それでも……。
どんな思いで、あの二人はそれを告げたんだろう?
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