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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
Duel:20 帰還日程決定
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行の時だった。
 小さな私とティア。そして、小さなノーヴェと行動してて、私は希望を抱いた。
 それは元の世界のノーヴェ達。今は海上施設に居るナンバーズの皆に対してだ。確かに生まれは違うし、この世界の私達の様に巧く行かないかも知れない。だけど確かに平和に生きている。
 ……特にノーヴェの遺伝子データには母さんと同じデータを。大きな括りで言えば、私やギン姉と姉妹にあたるし……育ち方は違うけれど、きっと仲良くなれると思うんだ。
 でもこの世界の皆は……ちゃんと母さんから産まれている。正真正銘の健康な人であるということ。そのせいなのかギン姉だけは、ずっと揺らいでいるように見えた。
 でも、温泉に入っている時に寂しそうに。

 ――この世界の私達は普通に生きていくんだろうね。

 元気に走り回る小さな皆を見ながら。静かに呟いていた。
 ……昔、ティアに私の体のことを伝えて、そのお返事の事をギン姉やお父さんに報告した時言っていたんだ。
 素敵な親友に出会えたことを、私はとっても嬉しいって。
 その時は私も一杯一杯だったから解っていなかったけれど、今この言葉を考えると、それはこう言ってるようにも思える。

 私にはカミングアウト出来る人が居なかったって。
 
 別にギン姉に友達が少ないって事は無い。ギン姉の性格から考えると慕う人は沢山居るし、初等部の時ギン姉に先輩って呼び慕う人も、友達も沢山居た。
 でも……私にとってのティアの様な人は居なかったんじゃないかって。
 思い返せばそうだったと思う。
 いつも……私もギン姉を頼って居たけれど、ギン姉と対等に接する人は少なかった。本当に頼れる人は……弱音を吐ける人は居なかったんじゃないかって。
 お父さんと部隊に居るとは言え、周りは年上ばっかりで、若い後輩の皆の先輩のポジションに、カルタスさんと一緒に捜査を当たる。優等生というイメージ。

 だから私も、いつもギン姉ギン姉って頼ってばかりだった。
 
 この世界のギン姉の抱いてる思いもなんとなくわかってるんだけど……それでも。
 ギン姉には一枚上手を取られてしまう。いざ話を切り出そうとしても巧く躱されるし、多分二人きりになったとしても今のギン姉は私の話を聞いてくれない可能性すらある。
 だって、お母さんと一緒に居る今のギン姉は、少しだけ幼く見えるもん。
 それが悪いこととは思わないし、私だって甘えてる自覚はあるし。
 本当の意味では違うと分かってても、それでも母さんの記憶はあの日から止まってる私達からしたら……お母さんそのもので。小さい頃は見えなかったお母さんの性格も見えるもんね。

 だけど……本当にどうやってギン姉の気持ちを聞くかなぁ……って。


――side震離――

 研究所のエキシビジョンスペースで
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