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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
Duel:18 幸せだけの人生じゃないから
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ますね」

 伊達メガネと、お店のエプロン。響さんのようなポニーテールのフェイト隊長が其処に来ております。

「……暇なんですか?」

「暇ってわけじゃ……うん、暇。響も居ないし、はなも居ないし。お姉ちゃんや小さい私は学校だし、見かねた母さんがちょっとお店に来ないって誘ってくれたんだけど……凄く楽しくて、ちょっと揺らいでる」

 ズーンと、調理場の隅っこで膝を抱えて座ってるのは凄くシュールです。
 そんなフェイトさんを置いといて、カレーの鍋をかき混ぜていると。

「ねぇ流?」

「なんですかー?」

「……またこの世界に来れると思う?」

 遂にこの質問がやってきました。

 何時か来ると思ってたこの質問。
 誰か必ず言うだろう、そう考えて一応の用意もしていましたが……複雑な気分ですね。
 鍋の火を切って、他のアルバイトの方に少し休憩に入りますねと声を掛けてから。

「……フェイトさん。少し付き合っていただけますか。ちょっとお話をしましょう」

「……うん」

 手を洗ってから、バックヤードに繋がる扉を潜って屋上へ向かう。普段は開放されていないけれど、ちょっと手を加えれば直ぐに開けることが可能だ。
 屋上に出れば、まだまだ残暑が残っているせいなのかまだ日差しは暑い。だけど、影に入れば涼しい風が入ってくる。
 直ぐに人払いの結界を張ってから、フェイトさんを見据えて。

「それは何故、と聞いても?」
 
 少しだけ寂しそうな表情をしながら、小さく笑って。

「……この世界が暖かくて、こんな私でさえも受け入れてくれる母さんたちが凄く優しくて、心地よくて、ね」

 ポツリ、ポツリと呟く言葉に相槌しか打てません、ですがコレは……。

「お姉ちゃんも、居たらきっとこうだったんだろうなぁって。お母さんも、こんなに暖かいんだって、小さな私も真っ直ぐ今を見つめているのが眩しかった。

 だから」

 静かに涙を流しながらこの人は言う。

「もし、また来れるというのなら、私の中の本物(・・)への思いを色あせないようにしたいなぁって」

 ……この方の中で決着は着いていたんだろう。それは何時着けたのかは分からない。
 だからこの確認の意味は一つだ。

「……結論だけを言えば、可能です。
 ですが、この世界は不思議なもので本当に事故か何かでしか来れない都合上、ちゃんと開通させる必要があります。それは枠超えではなく、枠抜きに近い荒業です。
 しかしそれは」

「……今まで悟られなかったこの世界を危険に晒すんだよね。やっぱりそうだよね」

 その通りです。と伝えて、二人して佇む。
 やはりこの方は……いえ、この方達は強い。というよりも、私が知っている人たちは本当に強い人た
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