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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
Duel:16 合宿最終日・巡り巡って勘違いは加速する
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集まってて、研究所組や、T&Hの皆さんがまだ」

「はいはい、じゃちょっと声かけてくるよ。流は王様の方へ、私はT&Hの方へ」

 不意に顔を出した震離と業務連絡のようなやり取り。声を掛けようとした時に限ってかぶるのは不思議だなーと。

「サト、は、引……率、してるんだね」
 
 ……何を私は聞いてるんだろう。
 せっかくスバルが気を利かしてくれて、サトと……もうひとりの響と一緒に話すと良いよって言ってくれたのに。
 お母さんや、小さな私、姉妹の皆と母さんを連れてってくれたのになぁ。

「……フフ」

「……ぁぅ」

 小さく笑われた。きっと変なこと言ったって思われたんだろうなぁ。

「……初日から……いや、この旅行の集合日。あんな態度取ってたらそう思うよね。間違いないさ」

「……気に触った?」

 恐る恐る聞いてみる。するとキョトンとした目をしたかと思えば、優しそうに目尻を下げて。

「いや、気に触る事は無いよ。あちらとこちらとじゃ、全然違うって自覚してるからねぇ。仕方ない」

 そんな事ない。そう言ってあげたいけれど……。
 私が知っている響とは同じなのに、こんなにも違うというのが痛いほど分かる。
 でも、とサトが言葉を紡いで。

「……まぁ、一度は絶望しきって、何も受け入れたくなくて……正直今でも、元の世界に帰ったらどうなるか分からない。ちゃんと受け入れられるのかって言う事。
 何より、元の世界の皆には悪いことしかしてないからねぇ」

「え?」

 悪いことをしたって、だって、それは……。

「心配してくれたのに、無理して大丈夫って言ってたけど、何いってんだコイツって話だよなぁ」

 ―――ぁ。

「自分の世界の皆の顔は……最後に会いに来てくれた時の顔は今でも忘れない。自分にとっても、皆にとっても辛い顔しか見せてない。
 ちゃんと大丈夫って言って安心させなきゃ。というか、あっちのギンガの最後の顔って泣かせたままだったし、不味いね。会ったら拳が飛んできそう」

「え、いや。飛ばさないよ……多分!」

 慌てて訂正すると、小さく笑みを浮かべて。

「……やっと、()の知ってるギンガになった」

「……ぅ、あ」

 やられた。そう気づいたときにはもう遅かった。


――side奏――

「……帰りたくなーい」

「ほらほら、そんな事言わないで帰る用意をしましょうよーっと」

 ぐでーっと机に突っ伏したままのアリシアさんに声を掛けながら私も私で荷物を纏めていく。 
 しかし、元々外部の人間なのに旅行にまで同行して大丈夫なんだろうか?
 あ、考えるとお腹痛くなってくる……やめよ。

「ねぇ奏? すずか、アリサと続いたから……次は
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