第24話
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、GAN01-SUNSHINEだ。生産性とステルス性に優れた直線的な重装甲。ライフル、バズーカ、ミサイル、グレネードと、実体弾で固めた武装。北米で乗っていたY11-LATONAに比べてはるかに無骨なデザインであり、まさに質実剛健という言葉を体現している。その重厚な存在感を持った機体は、操縦しているストレイドの命じるままの動きをとる。
不時着して煙を上げるシャトルに向かってライフルを向けたのだ。次いで外部スピーカーと公開通信から声が流れる。
「そこのシャトルの乗組員に告げる。この中に、レビル中将が今どこにいるか、知ってるやつがいるはずだ! 死にたくなけりゃ正直に話せよ。あと10かぞえる間だけまってやらぁ。10ヒャア がまんできねぇ 0だ!」
ライフルの一連射がシャトルの翼を先端から削り取っていく。たちまち何かを抱えた人間がシャトルの中から転がり出てきた。大きく腕を振って自分の存在をストレイドに示すと、抱えていた機材を操作している。どうやら通信機の類のようだ。
「待て、待て! 待ってくれ! 我々は連邦軍じゃない!」
「死に惜しむ連邦軍はみんなそう言うんだよ!」
さらに一連射。
「私はエリオット・レム! ジオン公国軍の軍属だ! 嘘じゃない!」
「軍属?」
聞きなれない単語に、GAN01-SUNSHINEのカメラ・アイが銀髪の中年男性を捉える。ストレイドの世界では国家解体戦争によって国軍は存在していない。軍とは企業の軍事部門と同義であり、ストレイドにとって軍属とは死語も同然であった。
「私はジオニック社の人間だ。少佐待遇の士官としてジオン公国軍に出向している」
「じおにっくしゃ」
「そうだ。地球にいる君たちも、名前は聞いたことがあるんじゃないか?」
エリオットはそう語りかけたが、早くからツィマッド社と協力関係を築いていたリリアナにとってジオニック社という名前は知っているどころではない。機動兵器で人型の優位性に固執したバカ、という認識だったが。
「ハズレか」
思わずぼやくストレイドだったが、これはストレイドの認識不足だ。ザクTが優れた機体であることは間違いない。開発に携わったエリオットも無能とは正反対の位置にいる。いささか趣味を優先しがちなところはあるが、技術屋である以上それは不治の病に近い。エリオット・レムは総じてきわめて優秀な人材なのだ。ジオニック社とザクシリーズをストレイドがこき下ろすのは、彼が一パイロット、しかもネクスト機を操るリンクスだからに過ぎない。コストパフォーマンスや整備性、安全性といった概念はストレイドの中では考慮に値しない。要するに、速くて強ければオッケー、暴走しがちな機体を制御するのも使う人間のウデでしょ、というアホ丸出しのパイロット脳だった。
「ハズレ……と
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