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ユキアンのネタ倉庫
ありふれた職業で世界堪能 4
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けなければ地球と同じ、しかもそこそこ良い店の味から家庭の味まで再現してくれるのだから文句をいうべきではない。この件に関しては心に棚を作って誤魔化そう。

「とにかく、徹を怒らせるな。純粋に戦闘技術はこの中じゃあトップだし、暗殺者みたいな技術も経験もあるし、食事に毒をもられてもしらないぞ。いや、そもそも食事を作ってくれるかどうか」

「ん、仲間判定じゃないから対価を払わないと絶対に作らない。作っても嫌がらせのような味でプレッシャーを掛けてくるはず」

「否定出来ないよね。ユエもちょっと危なかったよね」

「運が良かった。禁断症状で土いじりしか頭になくて助かった」

そこだけは運が良かった。自己紹介も挨拶もせずに放置したことの罪悪感からって、ああ、なるほど、シアはお礼を言うことも自己紹介も挨拶もしていないから対応がかなりおざなりなのか。黙っておくか、いや、ユエ達には念話で伝えておこう。

『シアには内緒?』

『内緒のほうが良いな。徹なら気付くだろうから止めておいたほうがシアのためにもなるだろう』

たぶん、他人に言われないと当たり前のことが出来ない奴だって見られるからな。そんなことを考えていると徹から声がかかる。

「空性魔獣に襲われてる奴らが居る!!話の通りなら兎人族のはずだ!!」

急いで窓から飛び出して屋根に乗る。ルーフを付けたかったんだが、寝室として使っているので作れなかった。宝物庫からシュラーゲンを取り出す。威力過多だが仕方ない。今度はもう少し威力を弱めた物も用意しておくことにする。バイポッドを取り付けスコープを覗きながら

「……OK、見えた。プテラっぽいのだな。そのまま速度を維持して直進してくれ」

整地の魔法が効かないような大型の障害物は徹が窓から猟銃を外に出して打ち砕く。なんで元折二連散弾銃で運転しながらそこまで連射できるのか理解できない。そんな徹の援護を受けてプテラっぽい魔獣を狙撃する。基本に忠実に呼吸を止めてスコープを覗いていない左目も開けた状態で搾るようにトリガーを引く。頭は外れるかもしれない。だが、体の一部にでも掠ればそれだけで終わる。大迷宮産の魔物に比べれば外の魔獣は大したことがない。翼と胴体に大穴を開けて落ちるプテラっぽい魔獣を頭の隅に追いやり、そのまま続けて3射する。同じように翼か胴体に大穴を開けて落ちるプテラっぽい魔獣。やはり脆い。

全部仕留めたことをシュラーゲンでフロントガラスを2回叩いて合図を送る。窓から出している散弾銃で上に円を描くように振ってから車内に戻る。念話は便利だが、男としてはこういうハンドサインに憧れるものだ。世界各国の特殊部隊のハンドサインを全部知ってる徹はもうちょっと世間に溶け込む努力をしたほうが良いと思うけどな。







シアの一
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