第四十五話「天央祭・Y」
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せようとするが脳にダメージが入ったのか上手く作動せずそれどころか視界が真っ赤に染まり何も見えなくなってしまう。更に意識が朦朧とし始めておりこのままでは死ぬと折紙は無意識に思った。
「中々の強敵だったよ鳶一折紙。それじゃあ、Auf Wiedersehen」
そして、今まさに折紙へと止めの攻撃を食らわせるべく引き金に手をかけた時であった。
ヴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!
下から響き渡った巨大な音。それはピアノの鍵を一斉に鳴らしたかのような音。耳へと響く音に思わず彼女は耳を抑える。しかし、音は耳に響くのではなくまるで脳に直接入り頭の芯を侵食するかのように染み込んできた。
「これはっ!?」
彼女はこの現象に心当たりがあった。三か月以上前に美九が自らにした【お願い】、それによく似ていたのである。幸いな事にあの時の様に洗脳される事は無かったがもしもう少し消耗していたならあの音にやられていただろう。
一方の折紙は脳にダメージがありそれどころではなかったのか特に異常はなかった。しかし、満身創痍であることに変わりはない。彼女は武器をしまうと折紙に話しかける。
「…どうやらステージで何かあったらしい。私は様子を見に行く。お前も退いた方がいい。これ以上やるなら手加減は出来ない」
「ッ!!!!!」
折紙は彼女の言葉に歯を食いしばる。手加減。彼女は確かにそう言った。その事実はつまり自分は彼女に手を抜かれた状態で相手をされていたと言う事である。自分は本気で戦っていたはずなのに相手は余裕があった。その事実が折紙の頭を何度も行き来する。
「…」
茫然とする折紙に彼女は怪訝な表情をするも天宮スクエアへと降りていく。
「っ!させない!」
折紙は当初の目的を忘れた様に主砲を放つ。今度は彼女はそれを避けなかった。対角線上には天宮スクエアがあったからだ。もし、彼女がここで避ければ天宮スクエアに直撃していただろう。そうなれば中にいる人たちに死傷者が出ていたはずである。
「…どういうつもりだ?」
主砲を受けた彼女は…軽傷であった。両手にはトンファーが握られておりそれを使って防いだことをうかがわせた。
「お前の目的は分からないが精霊から人類を守ると言っているお前らがやる行動とは思えないが?」
「そ、それは…っ!」
我を失い自らが行った行動に折紙は震える。もし、彼女が避けていたら…。あの中にいた士道に 何か起きたかもしれない。その事に折紙は震える。
「…脅す訳じゃないがこれ以上の深追いをするなら一般人に被害が出る覚悟で追ってくるんだな」
「私は…」
彼女は
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