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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
Duel:10 響
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だ。だからこそ……」
騎士様の白と、主の黒がぶつかり合い……そこで初めて私は気づいた。
眼の前の……サト様の……
日立
(
ヒタチ
)
郷
(
サト
)
のその正体を。
その事実に体が震える。どうして初めて邂逅した時に気づかなかったのか、と。私が一番その答えに近かったはずなのに、何故あの時に気が付かなかったのか、と。
けど、分からない。分からないのです。
ならば何故。何故この二人が争わなければならない?
(主、この戦いの意味を? なぜ、あの方と戦わなければならないのですか?!)
(……やらなきゃいけない。他の人がどうなのかは分からない。
アイツの記憶を垣間見て、俺の記憶が流れていった。逆の立場でも同じだろう。俺はアイツを―――
いや。違うな。
―――
俺を倒す
(
・・・・
)
。ただ、それだけだ)
両者が動き、あちらの主がポツリと。
「……なぜ。と聞いてもいいか?」
いつの間にか背にマウントされた白い長銃を左手に取り、こちらに突きこむように銃口を向け、
「わからない。俺も記憶が今流れ込んできているけれど、まだ全容を掴めていないが、何がキッカケで派生したのか分からない」
対して、こちらも腰に刺した暁鐘と晩鐘を抜き構える。
お互いに顔を伏せているせいで、私にはこちらの主の表情しか見えない。
眉をひそめ、苦悶の表情を浮かべているのがよく分かる。そして、顔こそ見えないが、あちらの主も……きっと辛い顔をされていると思うと。胸が痛む。
(……主、どうしても……戦わなければいけないのですか? 今なら、今ならまだ……)
戦わなくて済みます。と告げるよりも先に、見上げていた主の首が小さく横に振られるのが見えて。
「……鏡の向こうのようなお前は幸せに生き。どうして、鏡の前に立つ俺は……いや、彼奴等が死ななくちゃいけない……?」
「……ッ」
主達が何を言っているのかは分からない。どうして主達が戦うのかも分からない。ただ言えることは一つ。このまま行けば、どちらもただでは済まないという事のみ。
私はどうすれば良い? 主には無事であって欲しい。それは当然で……だけど、それはあちらの主にも言える事だ。
止めるにしても、どうやって? 既に主達は戦闘態勢に入っている。そして、私にも主達の使う剣術や居合の基礎モーションは入っている。
だが、それで止められるのだろうか? その程度で……私は主達の注意を惹き付けられるのだろうか?
駄目だ……私ではどうしても止められない。それどころか邪魔にすらならない。
その中でもあちらの主は言葉を続ける。
「俺は……死んでも良いんだ。俺は死んだって構わないんだ……」
……そんな事を言わな
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