暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
Duel:10 響
[9/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
むように左の掌を持ってきて。

「……ユニゾンははなの感覚で決めていい。もしかすると一度だけ助けてって言うかもしれない」

「えぇ構いませんよ。どうか頼ってください!」

 ニコニコと笑顔を見せると、主の顔がほんの少し明るくなったのが見えて。私は嬉しくなりました。

「……さ。往くか。結べ、暁鐘。晩鐘」

 ……何度目か分かりませんが、また驚きました。まだ温泉宿だと言うのに、このタイミングでバリアジャケットを展開。刀こそ収納しているとは言え。何故? というのが大きいです。

「はな。これから起きることに口を挟んじゃいけないよ」

「主。それはどういう……」

「……コレは、俺と……いや、俺の問題で。なんて言えばいいんだろうな。分からないけど、俺は逃げることも、やらないという選択肢を取ることもしちゃいけないんだ」

 主と共に往く。ふと、頭の中にフェイト様の姿が過ぎって……勝手なことだと分かっていながらもバルディッシュ様にメッセージを一つ送りました。

 ―――主と共に出掛けます、と。

 表に出ると、既に日が落ち夜に。そんな中でも主は真っ直ぐ、月の出ている空へと上がり……まっすぐ違う山を目指しました。迷うこと無く、ただひたすらに。
 
 そして、結構な時間を掛けて夜空を進んだ時にふと止まって。降下を開始。懐から前を見ようとするけれど、風圧で目を開けづらくなる。

 不意に、主が目指す場所には一本の大木が……いや、桜の木があるのが見えた。そして、周辺には何らかの瓦礫。明らかな人工物で、コレまでに雨風に晒されたせいか朽ちているのが分かる。
 
 夜だと言うのに、満月に近い月明かりのお陰で、桜の木の下には一人の人が立って居るのが見えました。その人物を認識した瞬間、何故? という感情が私を支配して……。

「……待たせて悪かった」

「……あぁ、気にするな。逆の立場でも同じだったろうし、な」

 白い騎士甲冑を纏ったその姿は。白いロングコートに、黒い縁取りのされた白いインナーと黒いボトム。
 だが、何処と無く白いロングコートを纏ったその姿はまるで……。

「―――何が違った?」

 静かに白い騎士様は呟く。何気なく、誰かに語りかけるわけでもなく。それでも明確な殺意をこちらに向けている。

「―――分からない。俺は本部防衛戦に参加出来た。結果連れ攫われ操作を受けて、フェイトさんやなのはさん達と戦った」

 主は応える。だけど、それでも……。

「―――お前でなければよかったのに。お前以外の……緋凰響(・・・)なら、良かったのに……ッ!」

 殺意が、いや、熱が来る。熱いというのに、背筋が凍る。一瞬たりとも目を離すことは許されないほどに。

「―――あぁ。そうだ。その通り
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ